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毎月更新中!社長通信 社長が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2011年03月01日

日本山村硝子様の「ルソンの壺」

青空に伸びる梅の木

関西を中心に、毎週日曜日の午前7時45分から放映されているNHKの「ビジネス新伝説・ルソンの壺」(※)という番組があります。「元気な関西企業の着眼や発想に迫りたい」という思いから、「現代のルソン壺」を見つけ成功を収めている企業を紹介する番組です。毎週楽しみにしているのですが、1月23日の放送は日本山村硝子様の「革新せよ!ガラス瓶ワールド」というタイトルで、特に興味深く見せていただきました。

日本山村硝子様は、1914年の創業以来、ガラスびん製造を事業の柱に着実に成長を遂げられ、現在では、年間1200種類、23億本のガラスびんを製造される国内シェア4割のトップメーカーです。お客様のニーズへの的確な対応、匠が支えるデザイン力と技術力。日本山村硝子様の強さの秘密を垣間見たひとときでした。特に、山村幸治社長の明るく自信に満ちた語りには惹きつけられました。

品質の確保のために、毎朝、金型を交換し、機械では対応できない微妙な0.1mmの世界を職人技で調整していくのですが、ヨーロッパでは3時間かかる作業をたった1時間でやり遂げるそうです。ものづくりへのこだわり・原点を見る思いがしました。

薄くて、軽くて、割れにくいガラスびんを造りたい。従来、ガラスびんが割れる原因は、表面を拭いてできる外側の傷だと推定されていました。しかし、実際に割れた約2000本ものガラスびんを1本1本自分たちで丁寧に分析した結果、内側の1ミクロン以下の小さな凹みが原因だということを発見。その凹みは金型に塗る油が原因で出来ると分かり、製造工程を見直されました。こうして、従来比20%減、薄さ1.1mmの世界最軽量のガラスびんが生まれたのです。

ガラスびんの設計は、ITを使った3次元設計です。1989年に業界に先駆けて、CADによるシステムを実現して大幅にデザイン力を向上。また独自ソフトでシミュレーションし、ガラスの強度を高めました。コンデンサの小型化のためにガラス粉末を今までの半分の0.001mmサイズにするなど、新しい分野へも果敢にチャレンジしておられます。

日本山村硝子様の3つの基本理念「事業は人なり」「商いの基は品質にあり」「革新なくして未来なし」は、独自の価値観や行動規範、仕事のやり方に現れているように思います。お客様指向を徹底し、一見不可能なようなことにも取り組み、新たなお客様価値を創出しようとする精神。研究開発や現場力が一体となった"ものづくり"の強さ。これが企業優位性をもたらし、グローバル企業への飛躍を押し上げているのだと、いたく感心しました。

2014年に創業100周年を迎えられる日本山村硝子様。以前、このメッセージでも書きましたが、長寿企業が圧倒的に多いのは日本だそうです。日本に老舗企業が集中している理由としては、侵略に遭わなかったというだけでなく、継続を重視する価値観と、"ものづくり"を大切にする文化や伝統が息づいていることが挙げられます。しかもその「適応力」「許容力」、そして本業をあくまで貫き新製品開発も本業の延長線上であることを崩さない「本業力」が持続の要因だということです。「伝統は革新の連続」という言葉が身に沁みました。

日本山村硝子様は中期経営計画で"Evolution 2014"をスローガンに掲げられ、4G(Growth、Group、Global、Green)の方向性を示されています。番組ではものづくりの醍醐味はもちろん、なによりも先にあげた3つの基本理念を大切にし、その理念から軸足をずらさずに仕事を進め、実際の"ものづくり"に昇華しておられる事を改めて感じました。

大切なお客様である日本山村硝子様のビジョン"世界のYAMAMURAへ−心と技術を伝えたい−"実現に向け、当社もコラボレーション・パートナーとして少しでもお役に立てるよう今まで以上に"いい匂い"をお届けし続けていきたいと考えています。

「ルソンの壺」 NHKホームページより抜粋
大阪・堺の商人、呂宋助左衛門(るそん・すけざえもん)は、文禄2年(1593)フィリピン・ルソン島で日用品として使われていた壺に「日本に持ち帰れば茶壺として売れる!」と目をつけ、大量に輸入。そのねらいは的中して時の権力者・豊臣秀吉や千利休がルソン壺を高く評価、豪商や大名が争って求めるお宝となり、助左衛門は巨万の富を築いたと言います。

2011年3月

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