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毎月更新中!社長通信 社長が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2020年08月01日

霜雪を凌いで香ばし
~逆風の中でこそ真価が問われる~

菊

8月になりました。Go Toキャンペーンが話題になっていますが新型コロナウィルス感染症の第2波抑制と経済回復をどうバランス取るのか難しい判断を行政も個人も問われています。連日の200人近い都内新規感染者が世論の不安を増大させ東京除外での見切り発車となりましたが、さてどうなる事やら。今はまだ第一波の真っ只中、野球に例えると二回表の攻撃、といった意見もあります。ビジネスの世界にいる我々にとっては経済回復に軸足がないと先行きが心底心配になりますが、それも命あっての物種なので、どう行動するかは百人百様の判断に委ねられます。この類に明確な正解はないので、後に歴史としてその結果が評価されるのでしょうね。

経済回復の視点で見れば、2020年3月期決算発表が集中した5月の時点で上場企業の6割が今期の業績見通しを未定としており、未だその状況は好転していません。コロナ禍の影響が及ぶまでにタイムラグがあったITサービス業界でも本年後半からは企業の投資抑制の波を受け、逆風を受け始めています。ワクチン開発の見通しを好感してか、株価は持ち直し始めていますが、実体経済がコロナ以前に回復するには少なくとも2年はかかるだろうと言われています。肌感覚としては個人的に同感です。とはいえ、2年で回復する程度の不況はこれまでのオイルショック、バブル崩壊、リーマンショックなどに比べて特別に深刻さが変わるものではありません。定期的に訪れる不況の一つとして楽観的に捉え、回復するまでの試練に耐える覚悟と備えを持つべき時だと思います。

さて、「疾風に勁草を知る」という中国・後漢書の名言がありますが、この逆風下でのビジネスコラムでよく見かけます。強い風が吹いたときに初めて、それに負けない強い草を見分けることができることから、困難に遭ってはじめてその人間の本当の価値、本当の強さが分かるという意味です。企業の強さも同様でこの逆風下にどう対処するかで見分けがつきます。今期業績見通しを発表した企業にトヨタやダイキンがありますが、両社ともサプライチェーンをリードする立場で関連する企業を安心させる意味で敢えて業績見通しを出したと言われています。これこそ正に勁草を知ると言う事だと思います。両社のような業界リーダーではなくとも、お客様は自らの取引先が勁草であるかどうかは、不況下であるが故に見分けを付けやすいのです。逆に言えば、取引先の立場にある企業は逆風の中でどう行動していくべきか、まさに真価が問われてくるのですね。

疾風勁草から連想した言葉があります。私は神戸大・経済卒なのですが、官立神戸高等商業学校、旧制神戸商業大学、神戸経済大学の流れを汲む凌霜会(りょうそうかい)と言う同窓会があります。「凌霜」は菊をたたえた漢籍にある言葉で、命名者は、神戸高商初代校長の水島銕也先生です。六甲台学舎本館の玄関前庭に「凌霜雪而香」(霜雪を凌いで香ばし)という水島先生の揮毫による記念碑があります。「人生の試練に耐えて(菊のように)香り高く、美しかれ」という意味です。人としても企業としても、この様な姿勢で逆風にも耐え、香り高く、美しく成長したいものだと思います。当社においても、このコロナ禍の逆風の中で如何に振舞うかによって、長期経営ビジョンで標榜する「Be a Trusted Partner」となれるか、なっているか、なろうとしているか、お客様から真価を問われています。それを社員全員が肝に銘じて行動できれば勁草と言えるのでしょうが、そうなっているかどうかはお客様にしか見分けはつかないのですね。

2020年8月

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