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毎月更新中!社長通信 社長が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2020年07月01日

手段を目的化する
~デジタル時代のモノとコト 遊び心が競争力~

七夕

7月に入り暑い夏がやってきました。未だに3密回避、マスク着用は続いていますが、さすがに暑苦しいですね。皆様、熱中症にも注意しつつ感染防止へご自愛くださいませ。早いもので今年も後半に突入しましたが、前半は特に緊急事態宣言以降の対応に追われてあっという間に終わってしまった感があります。後半はWithコロナ、Afterコロナでの新しい日常のワークスタイルを模索しながらビジネスの早期回復を期待したいところですが、さてどうなりますでしょうか。

今回のテーマですが、さすがに新型コロナ関連は食傷気味でしょうから令和デジタル時代に即したものにします。モノが売れない時代の対応策であるサブスクリプション(以降サブスク)モデルへの変革です。コロナ禍が発生する前の平成後期は既に経済成長せずモノが売れない世の中であり、それを大前研一氏は「低欲望社会」、堺屋太一氏も「低欲社会」と名付けています。低欲望社会では消費者はモノを所有するのではなく必要に応じてコトを利用するように価値観が変化しています。それに沿う形がサブスクモデルであり、商品を購入して使用するのではなく、料金を支払うことで一定期間サービスを受けられるビジネスが拡大傾向にあります。サブスクモデルは利用したい時だけ料金を支払うレンタルとは違い、一定期間は恒常的に料金を支払って利用するものなので、使わなければ消費者は損になりますが、アマゾンプライムなど低料金なのでつい放置してしまいがちですね。私も当初は放置だったのですが、最近はAmazon Musicを聴くようになってプライムのサブスク料金を正当化しています。サブスクビジネスはこういったデジタルコンテンツ分野が先行していましたが、スマホ・AI・IoTなどITの普及や物流の進化により、今ではファッション、日用品、クルマなど広範囲に拡大しています。低欲社会であり、デジタル時代である令和を企業が生き残るにはITを駆使した「サブスク・シフト」を加速する必要があるということなのでしょう。またサブスクは長期に安定して収益が見込めるストックビジネスであるので、企業経営を安定させる意味もあります。当社の提供するITサービスも構築型のサービス(フロー)と保守・運用サービス(ストック)がありますが後者はサブスクモデルに近いものであり、この比率を高めていく事が持続的成長につながると考えています。

そう言うのは簡単ですが、ではどうやってシフトするのか、変革を成功させることができるのか、その勘所は何なのでしょうか。
まずは自社の商品(モノ)を使用やサービス(コト)に転換できるかですが、これはデザイン思考などで自社の叡智を結集して自前のサブスクモデルを検討されている事と思いますので本稿では取り上げません。

2点目は価格体系です。機能数や使用量が増えると価格も上がる体系ではなく、できるだけ価格一定で使い放題(Unlimited)にする事です。一定期間それも長ければ長いほど購入価格が安定している事が必要です。

最後に3点目として、サブスク受注して終わりではなく、解約を防ぎ継続的に利用してもらえるだけの顧客成功体験、顧客満足を提供する仕組みが重要になってきます。ここでのキーワードがタイトルにある「手段を目的化する」です。混同を避けるために前置きしておきますが、これは手段自体が目的になってしまう悪い事例(例えば会議をする事が目的になってしまう)、つまり「手段が目的化してしまう」事とは意味が違います。例えば移動する手段としてクルマがあります。A地点からB地点まで移動することが目的ではなく、ポルシェに乗って(という手段)ドライブすることで、遊び心をくすぐり差別化される事を目的とします。旅館にしても旅行先の単なる宿泊という手段としてではなく、この旅館への宿泊が目的で旅行するといった事を指します。この手の差別化事例は新しいことではなく、バブル全盛期の「いつかはクラウン」もそうですし、最近ではミシュランガイドの三つ星掲載店へ食事に行くこともそうだと思います。IT業界でもメインフレームが主流の時代はIBMのシステムを使用している事が一流会社の証であり、技術トレンドにも取り残されない、という安心感がありました。今ならグローバル会計の標準としてSAPを使用している企業に対しては、会計監査法人は安心して報告できるようです。

少し前置きが長くなってしまいましたが、従来のモノの時代もサブスク(コト)時代もそのゴールに至るまでのプロセス体験が楽しい、面白い、ワクワクする、とても便利といった遊び心がある事が、シェアアップ、リピートオーダーに繋がるのではないかと思います。「手段が目的化することを趣味と言う」という名言もあるようです。皆様のサブスクモデルにも遊び心が組み込まれているかチェックしてみてはいかがでしょうか。

当社の長期経営ビジョン『Be a Trusted Partner』はお客様に信頼され、なくては困るパートナーとして共に成長することを目指していますが、それは長いお付き合いをさせていただく、つまりはサブスクモデルへの変革に他なりません。ということはお客様に当社を、発注ベンダーの一社ではなく、この会社と長く付き合いたい、と捉えていただけるよう面白い会社であり続けねばならないと感じています。さて、当社の社員とお付き合いいただいて、楽しい、面白い、ワクワクする、また会いたいと思っていただけるでしょうか。そうなっていれば嬉しいのですが、道はまだまだ半ば、でも一歩ずつですね。

2020年7月

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