2007年06月01日
企業不祥事の頻発に思う
誠実さ(インテグリティ)がキーワード
昨今、企業不祥事が枚挙に暇がない位多発しています。なぜ、企業不祥事がこんなにも多発するのでしょうか。根本原因は次の二つに集約することができます。
- 組織/個人(経営者・社員)のモラル欠如
- リスク管理の仕組み(統制)の不良
前者を正すには、組織のビジョンや理念そのものにまで遡って、組織の目的/価値判断基準(倫理)が社会とお客様にむけて正しく制定され、機能しているかを今一度見直すことが必要です。往々にして、お客様に対するサービス(奉仕)の視点が見過ごされているケースがあります。また、長年にわたり培われた企業の風土が、誠実さ(インテグリティ)を基盤とした行動を社員に促しているか、経済的利益/効率優先に陥っていないか、等をチェックする必要があります。
後者のリスク管理の問題は内部統制(J-SOX)への対応が確実になされているかという、今、最も重要なコンプライアンスの問題でもあります。
不祥事は実行者個人(経営者/社員)の不誠実さの問題と、組織統制の不良が重なった時に引き起こされます。
重要なことは、「企業は社会の公器、不祥事を起こさない」という企業理念にまで遡って、不祥事に対する予防措置を万全にするだけではなく、万が一、不祥事が発生した場合の誠実で迅速な対応がなによりも大切です。
往々にしてこの対応のまずさゆえに、企業消滅の危機に至るケースも散見されます。
これらを通じていえる事は企業不祥事のキーワードは「誠実さ」(インテグリティ)ということに尽きます。人間としての誠実さ、組織としての誠実さ、正しく考え、正しく行動し、正しく社会の発展に貢献すること。神戸製鋼所の中興の祖、田宮嘉右衛門氏のいう「至誠一貫」に尽きると思います。
さて、それではコベルコシステムの企業倫理遵守の姿勢はどうなっているかを考えてみましょう。
2005年に新たに策定した、「お客様と共にお客様の夢を実現する」という経営ビジョンを基本にして、当社の行動基準である、「コベルコシステム企業倫理規程」に全社員が確認、署名し、高いモラルの企業倫理の遵守を実践しています。
今後、情報セキュリティガイドの徹底や個人情報保護法への徹底した取り組みがさらに必要となっています。当社は、IBMの連結対象子会社として、米国のSOX法の適用会社です。日本版SOX法への対応も求められていますので、従来にも増して、内部統制基準に沿ったプロセスの見直しを徹底して行って行くつもりです。
最近では特に、その対応が求められている適正取引関連法令に対応する適正取引ガイドの徹底も緊急の課題です。他社事例のベストプラクティスからもその優れた経営を学び、高いレベルの企業倫理の遵守と、CSR(コーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティ)の実践を全社員で行っていきます。
すべての基本に、社員個人個人の誠実さ(インテグリティ)があってこそ、初めて、これらの企業倫理が意味を持ち、活きてくる事を改めて認識したいと思います。
コベルコシステムが永遠に社会から認められ、求められる存在として生き残っていくためには、社員一人ひとりの誠実さ(インテグリティ)がベースとなることを再認識し、その上で、リスク管理の仕組みの見直しと徹底を一層推進していきたいと考えています。
2007年6月
代表取締役社長(当時) 酒井哲夫
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元 代表取締役社長
酒井 哲夫
日本IBMの資本参加に伴い、2002年 代表取締役社長就任。
神戸製鋼所の質実剛健な風土と、日本IBMの新進気鋭の文化の融合に尽力。
2008年退任。
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