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毎月更新中!社長通信 社長が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2007年05月07日

フラット化する世界とIT

3月27日(水)全国の商業高校の情報教育担当の先生方の「全国情報処理教育研究大会」がクラウンプラザ神戸(旧新神戸オリエンタルホテル)で行われ、約500名の先生方に上記演題の講演をしました。ここではそのエッセンスをお話したいと思います。

「フラット化する世界」は、著名なジャーナリストであるトーマス・フリードマン氏の同名の著書で紹介された考え方です。『2000年以降世界はフラットになった。価値創造システムが従来の垂直(指揮&統制<Command & Control>)システムから水平(接続&共同作業<Connect & Corabolate>)システムへパラダイムチェンジしたからだ』と主張しています。
その要因として10の力を挙げていますが、7-8割はITの大変革によるところが大であり、それはまたWeb2.0の世界といわれるものとほぼ同一の内容です。

つまりインターネット利用の第2波といわれるWeb2.0と、それによるデジタルコミュニティの世界によって集合知の利用とコラボレーションが可能となりました。そしてあらゆることがこれにより大きな影響を受け、大変化を起こしつつあります。個人も、会社も、組織も、社会も、政治も、経済も、教育も影響をうけないものは何もなく、グローバリゼーション3.0の世界、フラットな世界へと変化を遂げつつあります。

私達の親会社であるIBMはこの変化をGIE(グローバル・インテグレイティド・エンタープライズ)ととらえ、ビジネスモデルを大きく変革しようとしています。コスト、人材、事業環境を最適である場所に分散・配置し、世界規模の分業を徹底しようとしています。インドへは3年間で6700億円(06/06)投資し、システム開発要員を12万人採用し、グローバル・デリバリー、コンピテンシー別デリバリーを実施します。そしてまた、Jamというインターネット・ブレイン・ストーミングにより世界中の社員、パートナー様、お客様の知恵を集め、イノベーションを実践しています。

フラット化する世界の特長は、一言でいうとコラボレーション(協創)という事です。コラボレーションが個人でも企業でも組織でも如何ようにも出来るようになってきました。
メールシステムから始まり、ブログによる個人情報の発信、SNSによるコミュニティの形成等がいとも簡単に可能になりました。Wikipedia(インターネット上フリーの百科事典)のような万人の集合知による百科事典の作成に誰でも参加し、且つ活用できるようになってきました。
フリードマン氏は『「無敵の民」になることが必要だ』と言っています。
『置き換えの効かない独自な能力を持った人間に成長すること、そしてその為には「学ぶ方法を学ぶ」こと、知能指数よりも熱意指数と好奇心指数こそ大切だ』と言っています。
『「学ぶ方法を学ぶ」というのは、知識は今の時代グーグル等検索エンジンの活用でいくらでも簡単に得られる。しかし自分にとって最も大切な英知、知恵は先輩から、仲間から、先人から、先生から質問され、教えられ、自分で気づいて行動して初めて自分のものとなり、血となり肉となる。コラボレーションによってこそ学ぶことが出来る。だからこそ、そうであるためにはIQより好奇心や熱意が大切だ』と言っています。
協同して創造していく作業、それがコラボレーションです。現代ではイノベーションも変革も、起業もコラボレーション無しには成しえません。個人としても会社としてもこのコラボレーションする能力を身につけることこそ大切です。コラボレーションは妥協ではありません。コラボレーションは単なるコミュニケーションでもありません。

私達の仕事は、お客様とのコラボレーションであり且つ、仲間とのコラボレーションであり、またパートナーとのコラボレーションです。これからは、日本のパートナー様に限らず、中国やインドなどの違った人種の人達とのコラボレーションも必要です。
コラボレーションの有効活用こそ、個人でも企業でも生き残り、勝ち残る条件となります。
コラボレーションする能力と技術を、企業として、個人として身につけていきたいものと思います。
コラボレーションするにあたり最も大事なのは心の持ち方、相手や相手の会社や組織社会に対する「忠如」(思いやりとやさしさ)の心だと思います。これ無しにはコラボレーションは有り得ません。心に深く忠如の思いを抱き、人は物理的にも心的にも皆つながっているという意識をベースに して、学ぶ方法を学び、協同してイノベーションする所に大きな発展の機会が生まれます。
お客様とパートナー様と仲間とコラボレーションし、学ぶ方法を学びそしてそれを行動に移し改善、 改革を進めること、そしてこの事こそ今年の当社のスローガン「自律的成長への加速」の意味であり、フラット化する世界でのキーサクセスファクターだと思います。

2007年5月

代表取締役社長(当時) 酒井哲夫

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