寺崎電気産業株式会社様

寺崎電気産業株式会社様

創業100周年を迎え、次の100年を見据えて基幹システムをクラウド化、運用・保守の人材をDX推進にシフト

導入前の問題

  • 基幹システムを担うオンプレミス環境の保守切れ
  • オンプレミス環境の運用・保守に伴う情報システム部員のプレッシャーと工数不足
  • 運用・保守による人材不足でDXに取り組めない
→

導入後の効果

  • コベルコシステムの運用・保守サービスの活用で情報システム部の負荷低減
  • SAP S/4HANA化検討に向けた環境整備の進展
  • 基幹システムクラウド化により人材不足を解消、DX推進を加速
世界トップレベルの電気エネルギー制御技術で船舶・産業・医療分野における配電制御システム等の製造を手掛ける寺崎電気産業株式会社(以下、寺崎電気産業)は、2023年に創業100周年を迎えるメーカーです。同社はオンプレミスで運用してきた基幹システムのクラウド化を決断し、プロジェクトは成功。現在、次の100年を見据えた次世代基幹システム検討プロジェクトを進行中です。

導入のきっかけ

持続的な成長を目指して、基幹システムのクラウド化を決断

寺崎電気産業は、船舶・産業・医療分野において世界トップレベルの電気エネルギー制御技術で各種配電制御システム、船舶用機関監視制御システムや医療機器等を手掛ける配電制御システムメーカーです。同社では、基幹システムをオンプレミスで運用してきましたが、OSやデータベースなどの保守期限が迫っていました。そこにハードウェアのリプレイスタイミングも重なったことで、今後オンプレミスで運用を続けるか、クラウドへ変更するか検討をしていました。

情報システム部 次長 社頭 俊之 氏
情報システム部
次長
社頭 俊之 氏

ちょうど同じ頃、同社では、社内のDXを進めようと動き始めていたものの、思うように進められないジレンマを抱えていました。基幹システムが稼働するオンプレミス環境の運用・保守に技術者リソースを多く割く必要があり、DXを推進する情報システム人材が不足していたことが理由にあります。

そのため同社は、オンプレミスのままインフラを更改しても、これまでと同様、運用・保守に人員が振り回され、DXは進まないと判断しました。さらには、次世代の基幹システムについてもSAP S/4HANAを検討しており、オンプレミス環境で柔軟なリソース管理や変更対応などをおこなうには限界があると考えました。

これらの理由から、寺崎電気産業は基幹システムのインフラをクラウドに変更することを決断しました。SAP S/4HANAの運用を見据え、柔軟かつ迅速にリソースを変更できる点や、運用・保守に関わるリソースを減らせる点においてもクラウドが優れていると判断しました。

導入の経緯

SAP S/4HANAとの親和性が高いMicrosoft Azureを選択

クラウド移行に舵を切った寺崎電気産業は、次にクラウドベンダーの選定を行いました。選定において、同社は、Microsoft AzureがSAPシステムのプラットフォームとして最も多く選ばれていること、Microsoftが実施しているS/4HANAとMicrosoft AzureによるDXの取り組みを知り、SAP S/4HANAと親和性が高いと評価し、Microsoft Azureを新たなインフラとすることを決定しました。

コベルコシステムのサポートでクラウド移行プロジェクトを完遂

クラウド化プロジェクトは、コベルコシステム株式会社(以下、コベルコシステム)と進められました。寺崎電気産業がコベルコシステムを選定した理由はいくつかあります。

コベルコシステムは、寺崎電気産業が基幹システムとしてSAP R/3を利用し始めた1996年から27年間、運用保守を担ってきました。SAP R/3のバージョンアップやコンサルティングだけでなく、SAP ERPアプリケーション運用・保守サービス(AMS)による日々の運用を通し、寺崎電気産業の基幹システムをもっとも熟知していることが大きな決め手となりました。

また、長いパートナーシップを通して、しっかりとしたコミュニケーションが図れることを実感していた点や「腹を割って話せる」ことも、選定のポイントとなりました。

2022年4月にコベルコシステムと共に開始した基幹システムのクラウド移行プロジェクトは、2023年1月に完了しました。大きなトラブルはありませんでしたが、技術的な部分で苦労があったと、情報システム部 次長の社頭氏は振り返ります。

ひとつは利用予定だったAzureのリージョンがリソース不足で選択できなくなったトラブル。そして、もう一つは本社と子会社間においてネットワークセグメントの重複が発見され、同一の仮想マシン上にシステムを設置できないトラブルが発生したのです。

これについて社頭氏は「発生した技術的なトラブルは複数社を跨ぐ問題であり、意思疎通が大変でした。しかしコベルコシステムが率先してMicrosoft社やSAP社などとコミュニケーションや調整を図ってくれ、迅速に問題解決に導いてくれました」と語ります。

導入の効果

基幹システムのクラウド化で得られたメリットと「未来に向けた土台」

基幹システムのクラウド化実現による大きなメリットとして挙げられることとして、情報システム部門が常に抱えていた、システム運用のプレッシャーからの開放があります。

情報システム部では、これまで24時間、いつ発生するかわからない障害対応や、ハードウェア管理に備える必要がありましたが、クラウド移行とコベルコシステムのIT基盤ハイブリッド運用(ITアウトソーシング)サービスにより、システム運用のプレッシャーから開放され、さらに時間的余裕が生まれました。

「情報システム部では、これまで実現できていなかった社内DXやIT化促進といった取り組みを進めています。今回のクラウド化は、時間や人材をこうした未来思考の改善テーマの取り組みに割り当てることが可能になったこと、DXという『未来に向けた土台』が構築できたこと、そして次世代基幹システムの検討に向けた環境準備が整ったことがメリットです」と社頭氏は語ります。

今後の展望

次世代基幹システムに求められる投資回収とベネフィット

クラウド化プロジェクトを成功裏に収めた寺崎電気産業は、現在、本丸ともいえる次世代基幹システム検討でS/4HANAの採用を軸にプロジェクトを進めています。このプロジェクトもクラウド化プロジェクトと同様にコベルコシステムをパートナーとしています。

S/4HANA採用を進めるにあたり、今後の内部統制の手続きの変更や業務負荷の増加へとつながらないように、影響を最小限にすべく企画フェーズが実施されています。

順調に進んでいると思われる次世代基幹システムの検討プロジェクトですが、「ベネフィット」の観点で課題があります。これまで、基幹システムの過去2回のバージョンアップでは、同時に業務改善を実施することで効果を創出することができていました。しかし、今回S/4HANAを検討するにあたっては、業務改善をやりつくした感があり、以前のような効果(投資回収)を見込むのは難しいと考えているからです。

そのため、次世代基幹システムの導入完了後にベネフィットを出し、投資回収を早期に実現するため、プロセスマイニングやDXに繋がる新たなシステム・サービスの導入を検討しています。これに対して、基幹システム導入後の投資回収の短縮やベネフィット出しについて事例を多く保有するコベルコシステムが、寺崎電気産業のニーズに適合した具体的な提案に取り組んでいます。

次の100年に向けた持続的な成長をコベルコシステムとともに目指す

今年100周年を迎える寺崎電気産業では、次の100年に向け持続した成長を続けるために、未来に向けた土台である基幹システムの運用・保守がこれからも重要だと考えています。基幹システムの運用保守において、コベルコシステムを選んで良かったと話す社頭氏は

「解決策が見つからないといった場合に、コベルコシステムの担当営業やAMSセンターに相談すると、ヒントをくれ、背中を押してくれます。そこには自社で取り扱う製品以外のソリューションを含む提案もあります。それに加えて迅速性と高いコミュニケーション力。コベルコシステムは、これからも共にベネフィットを追求していけるパートナーとして頼りにしています」と最後に語ってくれました。

お客様とともに
左からコベルコシステム 内村(担当営業)、寺崎電気産業 社頭氏、コベルコシステム 福林(担当営業)

※この記事は2023年8月時点の内容です。


導入された企業様

寺崎電気産業株式会社ロゴ
寺崎電気産業の代表製品
寺崎電気産業の代表製品

寺崎電気産業株式会社

創業:1923年10月
設立:1980年4月
所在地:大阪市平野区加美東六丁目13番47号
URL:https://www.terasaki.co.jp/
資本金:12億36百万円(2023年3月期)
売上高:442億53百万円(連結:2023年3月期)
従業員数:連結 2,039名/単体 533名(2023年3月31日現在)

〈事業内容〉
「船舶用システム製品」「産業用システム製品」「機器ブレーカ製品」「メディカルデバイス」「エンジニアリング及びライフサイクルサービス」の 5つの製品グループを柱に、お客様に安全、安心、そして快適をお届けし、 人類社会に貢献することを弊社の使命と捉えて企業価値向上に努めています。

〈会社概要〉
2023 年 10 月で創業 100 周年を迎えるグローバルに船舶や産業用向けの 配電制御システムや配線用遮断器・ブレーカ等の製造・販売を手掛けているメーカーで、会社規模としては、資本金は 12 億36 百万円。 東京証券取引所 スタンダード市場上場。


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