春分の時期を迎え、東京では桜の開花が過去最速と並ぶとニュースを賑し、冬から春へ季節の変化を感じます。時を同じくして、コロナ禍の象徴であるマスク着用は、「個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断が基本となりました。」と、厚生労働省から発表されました。コロナ感染には未だ細心の注意が必要ですが、コロナ禍による膠着化した状況が収束し、新たな一歩を踏み出す時期の到来を感じています。

また、以前から「VUCA」というキーワードが世間を賑わしていましたが、パンデミック、ウクライナ危機、物価高騰、・・・等々で、今まさに世の中がVUCAを実感しているのではないでしょうか。これらの大きな衝撃に伴い、半ば強制的に人々の在り方に大きな変化が生じました。

環境が大きく変化している中、日本のシステムインテグレーターの在り方も柔軟に変化していかなればなりませんが、まだまだ変革の途上と言わざるを得ない状況だと感じています。
当社の中核事業であるSAPビジネスにおいても同様で、ガートナーが提唱するペースレイヤリングの、SoR(System of Record)領域は数多の事例、経験、方法論を保有しており、お客様からもご評価いただいておりますが、SoE(System of Engagement)の領域はお客様の競争源泉が多岐に渡り、当社独自のソリューションだけでは、お客様の期待を越えるご提案を実施することが難しい状況にあります。

このような状況下において、自社でご提案出来ない領域は他社を巻き込み、各々の得意領域を集め、お客様に価値をお届けすることを目的とし、「Co-Innovation Factory for AMS」というサービスをリリースしました。本サービスは3ステップで構成されており、第1段階の「守りの工場」では、お客様の定常保守運用を当社のAMSが支援します。保守運用を通じて現状の課題を蓄積し、第2段階「IT計画工場」では、IT企画支援やPoC支援、プロセスマイニングツール等を駆使して課題を整理し、解決策と変革のポイントを定めます。第3段階である「IT実行工場」では、「IT計画工場」で立案した計画や方針に基づき、改善を実行に移します。この段階では、課題解決だけでなく、お客様のDXの推進についてもご支援し、SAPシステムに付加価値を加え、進化させます。

日々のシステム運用で発生する課題はお客様の成長の礎となります。当社はこれまで競争相手であった他のシステムインテグレーターとともに価値を共創することで、お客様の成長に寄与することを目指します。競争から共創へ、自社の利益だけでなく業界全体の活性化を促すことが、お客様への貢献につながると確信しています。