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2017年12月01日

時代を先取り?! AIスピーカー!

AI + スピーカー ≠ AIスピーカー

この秋に続々と登場し話題沸騰中の“AIスピーカー”(※1)。早速手に入れた人もいらっしゃることでしょう。「○○な曲かけて!」と言うだけでそれらしい曲を選んでかけてくれるという手軽さがウリのスマート家電。しかし、AIスピーカーは、単純にAI(Artificial Intelligence=人工知能)とスピーカーを足したものではありません。

※1 スマートスピーカーと呼ばれることもありますが、このコラムではAIスピーカーという名称を使用します。

●AIスピーカーの仕組み
まず、AIスピーカーの最も基本的な機能は、人が「70年代のヒット曲をかけて」と話しかけると“70年代のヒット曲”を流してくれる機能です。
この仕組みは概ね以下の1~5の手順で実現されています。

  1. 内蔵マイクで「70年代のヒット曲をかけて」という言葉を録音
  2. 録音した言葉を“70年代のヒット曲をかけて”という文字に変換
  3. 文字を以下のように理解する
    ・どんな行動か   :かける
    ・何に対する行動か :曲
    ・対象の種類は何か :1970年代にヒットした
  4. インターネット等から該当する曲を検索する
  5. 曲をかける

話しかけるだけで良いので、CDを求めてレコード店を探し歩いたりインターネット検索で流行を追いかけたりする必要はなくなります。もちろん「私におススメの曲」「流行の曲」「明るい曲」といった、あいまいなリクエストにも応えてくれます。
これまでの技術では、音声を文字に変換して「文章の意図を理解する」ことが難しかったのですが、昨今のAI技術の発達によってそれが可能となってきました。そのため、AIスピーカーという全く新しい製品が現れてきたのです。

AIスピーカー使い方
図1.AIスピーカーの使い方

●IoT機器としての側面と新たな体験
上記のとおりAIスピーカーとしての基本性能はメーカーによる大差はなく大体共通していますが、IoT機器としての側面から見ると、メーカーによって特徴が出てきます。 AIスピーカーには様々な入力センサー(温度・光等)が内蔵されており、インターネットとつながっています。また同時に様々な出力装置(ディスプレイ等)もインターネットとつながっており、単に音楽をかけるものというよりも、AIスピーカー自体がIoT機器の集合体になっています。
これらの入出力センサー群がインターネットとつながっている事により、AIスピーカーからIoTに対応した家電を操作する事ができます。例えば「テレビを付けて」と言えばテレビが付き、「ライトを消して」と言えばライトが消えるといった、今までにない便利さが手の届くところにきています。

AIスピーカー流行の裏側

新たな体験が実現され始めたAIスピーカーですが、注意しなければならない点がいくつかあります。

●AIは発展途上の技術
「AIは確立された技術である」といった誤解が生まれているので注意が必要です。実際のところAIは新しい技術のため研究途上にあり、研究成果が少しずつ製品化・更新されているのが現状です。 これは例えるならばスマートフォンに似ています。スマートフォンは使っているうちにOSやアプリが更新されて、より便利で高機能になっていきますが、AIスピーカーも同様です。その結果、昨日答えられなかった質問に今日は答えることができたり、はっきり喋らないと伝わらなかった言葉があいまいなままでも伝わるようになったりと、どんどん成長します。

●IoT家電はまだ多くない
AIスピーカー登場の前からスマートフォンで操作できるIoT家電は販売されていましたが、広く普及しているとは言えないのが実情です。これは家庭におけるスマートフォンの立場に一因があると考えられます。というのも、外出時にはスマートフォンを肌身離さず持っている人も、家に帰ると鞄に入れっぱなし、充電スタンドに置きっぱなしになる事が多くあります。その結果、わざわざスマートフォンを取りに行って家電を操作するよりも、直接家電のスイッチやリモコンを押す方が早いという状況になり、スマートフォンで遠隔操作できるメリットが活かせませんでした。
このスマートフォンの役割がAIスピーカーに置き換わるとどうでしょうか。スマートフォンのように探しに行く必要がなく、ソファに座ったままAIスピーカーに「エアコン2度上げて」と指示するだけで家電の操作ができるようになります。 今でこそIoT家電はあまり普及していませんが、AIスピーカーとの親和性の高さから、今後の普及が期待されます。

AIスピーカーと家電
図2.AIスピーカーで家電の使い方が変わる

今後AIスピーカーはどうなるか

AIスピーカーの登場で私たちのライフスタイルは大きく変わろうとしています。 現在は、第3次AIブーム(※2)の真っ只中です。AIスピーカーの普及がこのまま進んでいくと、AIスピーカーで出来ることもどんどん増えていきます。 これに加えて、今後IoT対応家電の普及がさらに進むことを考えると、AIスピーカーでIoT家電をコントロールすることの利便性は揺るぎないものとなり、“AIスピーカー”は私たちの生活の一部となっていくと考えられます。

※2 AIの未来を支えるディープラーニング(2017年3月のコラム参照)
http://www.kobelcosys.co.jp/column/itwords/20170301/

2017年12月

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