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2009年09月01日

エンドユーザーに快適なアクセスを提供するCDN(Contents Delivery Network)

CDN(Contents Delivery Network)とは

CDN(Contents Delivery Network)は、コンテンツ配信などを行うサイト運営側がエンドユーザーに対して効率よく安定して提供するネットワークのことを指します。
一般家庭においてもインターネットが既に多く普及しています。通常、エンドユーザーがインターネット上のサイトへのアクセスする際は、サイト運営側のサーバーへ直接アクセスします。(下記図1参照)

CDNを利用しないサイトアクセスの仕組み
図1:CDNを利用しないサイトアクセスの仕組み

サイト運営側のサーバーへ直接アクセスする場合、事前に想定しているより多くのアクセスが行われると、サーバーへの負荷が増大し、場合によってはサーバーがダウンすることがあります。そこでサイト運営側はその解決策の1つとしてCDNを利用します。
CDNの仕組みは次の通りです。サイト運営側は、サーバーのコンテンツ(サイトを構成するhtmlや、画像、映像、音楽といったデジタルコンテンツなど)と同期をとっているサーバー(以下、キャッシュサーバー)を複数台用意します。これによりエンドユーザーからのアクセスをサイト運営側のサーバーからキャッシュサーバーに振り分けることで、アクセスを分散させます。

CDNで構成されたサイトへアクセスする場合も、エンドユーザーは初めにサイト運営側のサーバーにアクセスします。しかし、そこでコンテンツのやり取りは行われず、その際、サイト運営側のサーバーがエンドユーザーから最も近くにあるキャッシュサーバーにアクセスするように振り分けます。エンドユーザーからのこれ以降のアクセスは、キャッシュサーバーに対して行われるように設定することで、サイトのレスポンスも良くなり、サイト運営側のサーバーの負荷も軽減されます。(下記図2参照)

CDNを利用した仕組み
図2:CDNを利用した仕組み

CDNのメリット

CDNの導入により、エンドユーザーからのアクセスを分散することができ、大容量のアプリケーションや音楽や動画の配信といったコンテンツを高速かつ安定して配信することができるようになります。
また、1つのキャッシュサーバーが動作しなくなった場合にも、他に稼動しているキャッシュサーバーにアクセスを振り分けることで、サイトのダウンを防ぐことができます。これにより、サイトの可用性が向上します。

CDNの適用例

大統領就任演説が行われた際、世界中からその情報を得ようとニュースサイトなどにアクセスが集中しました。あるニュースサイトでは配信が行えないという状態に陥ったため、ネットワークの構成をCDNに切り替えました。その結果、多くのエンドユーザーからのアクセスにも耐えることができ、情報が無事届けられるようになりました。

今後多種多様なコンテンツの配信が更に増えていくことが期待できます。

2009年9月

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