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毎月更新中!社長通信 社長が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2014年09月01日

長良川の鵜飼
グローバル時代における大切な心得

長良川鵜飼

“鵜飼と言えば長良川、長良川と言えば鵜飼”と言われるほど、昔から長良川の鵜飼は有名です。子供の頃から聞いてはいたものの、わざわざ見に行こうというほどの関心はありませんでした。地元の方には申し訳ないのですが、興味の優先順位がそれほど高くなかったんでしょうか。ちなみに、この長良川の鵜飼は1300年の歴史があり、織田信長は鵜飼でとれた鮎を天皇に献上していたそうですし、徳川家康ははるばる江戸まで鮎を運ばせたそうです。鵜飼は国の重要有形民俗文化財にも指定されている正に正統派の伝統的イベントです。

今回、機会に恵まれ、鵜飼なるものを見てきました。出かける前の夜、家内と「鵜が獲ってきた魚を食べさせてくれるんだろうか?」「鵜はくちばしで魚をくわえてくるのかな?」などと、無知な会話を交わしているうちに、がぜん興味が湧いてきました。
長良川の川辺には、観光客相手のホテル、旅館が立ち並び、夕方になると食事を済ませた観光客が続々と専用の船に乗り込んできます。しばらく川を遡り、鵜飼の場所に移動します。時間が近づくと、川の端に船を寄せて待機。夜8時前になると両岸のホテル・旅館の灯が消え、花火が数発ドドーンと鳴り響きました。いよいよ鵜飼の始まりです。

昼間に降った雨のせいで川の流れは速く、篝火を煌々と焚いた最初の鵜飼船があっという間に通り過ぎました。鵜飼って、止まった船から繰り広げるんじゃないんですね。他の川でも鵜飼はありますが、長良川の鵜飼は格が違うようです。天皇に献上したのが始まりで、今もここの鵜匠だけは「宮内庁式部職鵜匠」と言う肩書の、れっきとした公務員だそうです。これにもびっくりしました。
6人の鵜匠が6艘に分かれて順番に鵜飼をしながら下ってくるのを船から見学。最後は6艘が川を横並びに一直線になって近づいて来るのですが、鵜を間近で見られる上、篝火の火の粉が飛んできたりして、かなり迫力がありました。鵜は何度も何度も川の中に潜っては魚を獲って戻って来ます。ちなみに魚はくわえて来るのではなく、丸呑みにします。鵜の長い首には鵜匠に繋がれた縄が巻きついており、小さな魚は喉を通るけど大きな魚は縄のせいで呑み込めません。鵜の細い首が魚の形にふくらんでいるのが、夜目にもはっきりとわかります。鵜匠は縄を手繰り寄せては魚を吐き出させ、また鵜を川に放します。夢中で見ているうちに、鵜飼が終わりました。後で、鵜が獲った魚を実際に見せてもらったのですが、食べさせてはくれませんでした。新鮮な鮎の塩焼きがその場で食べられるかと期待していたのですが…。

日本古来の貴重な漁法を現在までしっかりと保存し、貴重な観光資源として関係者が今もしっかり守り続けているようです。これは、保存と観光振興のバランスをうまく取ってきた、地元の人々の努力の賜物でしょう。
それにしても、今回、自分では知っているつもりの有名な伝統文化に関して、かなり思い違いをしていたことに気付きました。そして、日本人として日本の文化にもっと知識を持っておくべきだと改めて反省させられました。グローバル化では、一番大事なことは自国のことをどれだけ知っているかということです。現地では、それが当たり前で、出来ていないと尊敬されません。他国のことを知ることも、語学が出来ることも大事ですが、その前に、もっと大切にしなければならないことがありますね。

2014年9月

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