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毎月更新中!社長通信 社長が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2014年05月01日

グローバル化にITが遅れるな

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円安により、輸出が増えるという目算は外れて、貿易赤字が続いています。輸出をリードしてきた製造業のGDPに占める割合が減っていることもありますが、その大きな要因は発電用エネルギー資源の輸入金額の増加と併せて、製造業の構造がグローバル化で大きく変化していることだと思います。世界中で同じものを大量に販売するのではなく、生産コストの安い海外での生産、さらには現地に適合した製品を現地主導で設計・開発し、部品も調達するなど、地産地消を進めていますから、円安になったからと言って簡単に貿易黒字になるはずもありません。現在の企業はグローバルを当たり前のフィールドとして活動しているわけで、その中で、何が日本の独自性であり、どこで競争優位になるのかを常に意識しておかないと、グローバル化の中に埋没して淘汰されていく危険性も大いにあります。

日本のユニークさを意識する一方で、グローバルを前提にあらゆる条件を見直し、競争力を強化する必要もあるでしょう。税制や法規制などはもちろん、ダイバーシティ(多様性)のように文化的なものもあります。ITに関してもそうです。グローバル拠点のシステム化だけでなく会社全体のシステムのコスト、品質、ソリューションはグローバルレベルにあるだろうか? ITの活用は充分だろうか? など。
売上に占める総ITコストを業種別にみると、製造業や流通・小売業では欧米はもとより新興国よりも低いですが、金融などは日本の方が高くなっているなど、状況は様々です。業種や会社全体ではなくシステム単位で見てみるとどうでしょう。パッケージの利用も増えていますが、現行の業務に拘るあまり、競争優位に大きく影響しない業務に対してもカスタマイズやアドオンを重ねてしまいます。これが、開発期間やコストを押し上げ、その後の運用コストにも大きな負担を残します。手組みにしても、国内ではまだまだウォーターフォール型の開発がほとんどなのに対して、海外ではアジャイル開発が主流で、開発期間やコストで差がついています。ビジネスサイクルがどんどん短くなっている現在、3年もかけて開発したのでは、出来上がった頃にはすでに陳腐化していることさえあります。また、事業化が遅れて企業の競争力を削ぐことにも繋がります。なんでもかんでもコストをかけて完璧に構築するのでなく、対象業務の重要性に合わせた松竹梅の発想も必要でしょう。

インフラやアプリケーションにどんどんクラウドが広がっています。それらをうまく活用して新たなビジネスモデルを立ち上げる一方で、現行のシステム構築のスピードやコスト適正化をいかに海外並みに確保するかが、IT部門にとっても、ITサービス会社にとっても今すぐに取り組まないといけないテーマだと思います。しかし、これはIT部門やITサービス会社だけで取り組めることではなく、経営者やユーザーの意識改革、システム開発における参画や協力が必須です。これは時間がかかることでもあり、そう言う意味でも待ったなしで取り組まないといけないテーマだと捉えています。当社も、コンサルティング力の強化やクラウドサービスなどの充実を図りながら、グローバル化に乗り遅れないように取り組んでいきます。

2014年5月

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