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2024年10月01日

敗者復活戦を乗り越えたメダリストに学ぶ
~折れた心を立て直す方法~

栄光と挫折

日本勢の活躍が目立った今年のパリ五輪で、中でもレスリングでは金メダル8個を含む11個のメダル獲得と世界最強を証明した大会となりました。ただ、そのような中で東京五輪では圧倒的な強さで金メダルに輝き、今大会でも最も「金メダル確実」と言われていた女子50キロ級の須崎優衣選手が1回戦でインド選手に敗れたのは衝撃でした。東京五輪後も油断なく勝ち続け、国際大会の優勝は24大会連続、外国人選手相手の連勝も94まで伸ばしていただけに、試合後は「本当に、本当に申し訳ない気持ちです。ここで終わってしまったのが信じられないです」と涙ながらに話しました。
その後、須崎優衣選手に勝ったインド選手が決勝まで勝ち上がったため敗者復活戦進出が決定。ところがその選手が計量で失格となったため、敗者復活戦を経ずにそのまま3位決定戦に挑むという異例の事態にも関わらず、圧勝で銅メダルを獲得しました。連覇だけを目指して苦しい練習に耐えてきただけに、その夢が途絶えた大きな絶望の中で気持ちを立て直すのはどれだけ大変だったことでしょう。勝利後は泣きそうな顔で両手を合わせ、周囲に謝罪のポーズを取りました。

柔道全日本男子の井上康生監督も現役時代に五輪で栄光と挫折を経験した一人です。2000年のシドニー五輪で金メダルを獲得。決勝での内股は「世界一美しい」と称賛されました。ところが2連覇を目指した2004年のアテネ五輪では、日本選手団の主将として大きな期待を受けながらも準々決勝で敗退。「夢がついえ、茫然自失となった」という井上選手は、続く敗者復活戦でも敗退し、まさかのメダル無しに終わりました。後に「まだオリンピックが終わった訳ではないのに、気持ちを立て直すことができなかった。今でも非常に後悔している」と話し、指導者になってからこの経験を生かしました。
監督として臨んだ2016年のリオデジャネイロ五輪。優勝候補筆頭だった60キロ級の高藤直寿選手はアテネの井上選手と同じ準々決勝で敗退。敗者復活戦までのわずかな時間、自身の苦い経験を引き合いに出しつつ高藤選手に「俺は後悔している。悔いは残すな。まだチャンスは残っている。苦しいだろうけど戦って来い」と励ましたそうです。その言葉を胸に高藤選手は敗者復活戦、3位決定戦と勝利し、銅メダルを獲得しました。

仕事でも失敗をすると、「こんなはずじゃなかった。どうしてもっとよく考えなかったんだろう」と自己嫌悪に陥ることはしばしばあります。特に真面目で責任感の強い人は、自己嫌悪に陥りやすく、そこに至った自分の言動を振り返って必要以上に反省してしまいがちです。しかし、失敗や挫折に執着してずるずると引きずってしまうと、その後の仕事や生活にも影響を及ぼし、最悪の場合には体調不良に見舞われることさえあります。そうならないためにも、心が折れてモチベーションが下がった状態からいかに上手く気持ちを切り替えていけるかが重要になります。
気持ちを切り替える有効な方法の一つは、高藤選手のように「相談できる人」をつくることです。自己嫌悪に陥ったときは、自分だけで抱え込まずに誰かに相談することで気持ちが楽になります。相談の中で自分なりの解決方法が見つかれば失くしていた自信も戻り、モチベーションアップにも繋がっていきます。特に仕事の経験が浅い若手社員などは、同僚・先輩・上司あるいは友人・家族など誰でも良いので、まずは気軽に相談できる人をつくることが仕事を続けていく上でとても大切なことだと思います。

最後に、井上監督は敗れても戦い続ける意味について「すべてにおいて一つ一つの出来事は人生の通過点にすぎないんです。自分自身のさらなる飛躍のためにすべてを出し切る。出し切って終わることが次の成長へとつながる。それがとても大事だと思う」と語っています。
須崎選手も「この銅メダルが良かったと思える日が来るまで戦い続けたい」とさらなる高みを目指す決意を口にしました。
「内なる声が『おまえには描けない』と言ったら、何としても描け。そうすれば何も言わなくなる」とはゴッホの言葉です。この夏、当社の新入社員も新人研修を終え、各職場で実務に従事し始めました。巣立った彼ら彼女らが失敗を恐れず何事にも全力で取り組み、そして「相談できる人」と一緒に一つ一つの失敗を自信に変えて成長していってほしいと、今は願うばかりです。

2024年10月

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