ナブテスコ株式会社様
300台規模のサーバーをAzureを核とした新環境へ移行
ITの進化/多様化に追従できるITインフラを実現
- 導入したソリューション
- KCIS(クラウドインテグレーションサービス)
- キーワード
- ハイブリッドクラウド、Azure、ランサムウェア対策、BCP、運用・保守のアウトソーシング
導入前の問題
- それまで利用していたデータセンターのサービスが終了を迎えるため、新たなITインフラが必要に
- 各サービスの仕様と制約により、サーバーのリソースやネットワークの拡張性・柔軟性・スピードに欠けていた
- 担当者の工数をより削減し、重要な施策に人的リソースを集中したい
導入後の効果
- 高品質で長期間にわたり利用できるITインフラが実現、スケジュールの前倒しでコストも抑制
- 柔軟性が高く、ITの進化/多様化に追従できるITインフラが実現
- パブリッククラウドからプライベートクラウドまで、運用をコベルコシステムに一本化することで担当者の工数削減につながる
導入のきっかけ
既存データセンターのサービス終了に伴い、新たなITインフラの構築を決断
独創的なモーションコントロール技術を活かし、人々の移動や生活空間に安全・安心・快適を提供しているナブテスコ。その優れた技術力は国内外で高く評価されており、中大型産業用ロボット向け精密減速機や鉄道・船舶・航空機用制御機器、自動ドア、ホームドアなど、さまざまな分野で採用されています。

情報システム部
システムセンター長
菅 公成 氏
同社の全社システムの開発・運用・保守や、ITインフラ/ネットワークの構築・運用を担っているのが、神戸工場にあるシステムセンターです。同社では全社の基幹業務を支えるITインフラとして、当時利用していたデータセンター(DC)を10年以上にわたって活用してきたのですが、そのDCからサービス終了を通告されたことを契機に、ITインフラの刷新を迫られることになりました。当時、同社がDCで運用していたシステムは、SAP R/3と周辺系、全社利用のグループウェア、メール、ポータル、稟議決済システムなど多岐にわたっており、サーバー台数は約280台、国内のグループ会社を含めて多数のユーザーが利用していました。情報システム部 システムセンター長の菅公成氏は「ここが止まれば全社のシステムは止まるという重要基盤でした」と語ります。
そこで同社は、新たなITインフラについて後継サービスへの移行も含めて先入観を持たずに検討。コストや工数などを精査した結果、新たなITインフラの構築を決定しました。プロジェクトの発足にあたり、同社が掲げた目標は大きく3つです。

情報システム部長
枝川 文彦 氏
1つめは、「ITの進化/多様化に追従できる環境の構築」です。従来の環境は設計当時の機能に縛られており、新しいサービスの活用が難しい状況にありました。そこで、柔軟性と拡張性を備え、コストパフォーマンスに優れたITインフラの実現を目指したのです。当時、プロジェクトのPMを務めた情報システム部長 枝川文彦氏は「長期的に使い続ける以上、変化に柔軟に対応できることが不可欠でした」と説明します。
2つめは、「セキュリティ対策の強化とBCP(事業継続計画)の整備」です。ランサムウェアなどの脅威に対応できるよう情報セキュリティを強化し、サプライチェーンまで含めて安全・安心・快適に利用できる環境を整えるとともに、災害発生時にも継続して業務遂行できる体制の構築を目指しました。
3つめは、「運用・保守にまつわる工数の削減」です。より重要な施策に人的リソースを集中するため、担当者の管理工数の最小化を目標としました。
導入の経緯
要件の充足度、コスト、Azureへの移行提案などを評価し、コベルコシステムを採用
ナブテスコは4社に対してRFPを提示。各ベンダーから寄せられた提案を評価した結果、コベルコシステムをパートナーに選定しました。その決め手は、要件の充足度、コスト、提案内容にあったといいます。

情報システム部
システムセンター
堀口 裕介 氏
「最も要件を満たしていたのがコベルコシステムの提案で、コスト面でもご尽力いただきました。また、クラウドサービスへの移行について、Windowsサーバーが多い当社の環境や将来性などを考慮し、既存ライセンスと親和性の高いAzureへの移行を提案いただいたことも高い評価につながりました」(菅氏)
さらに、コベルコシステムが長年にわたり既存のDCの運用を担ってきたことや、ネットワーク/インターネット関連のプロジェクト支援などの実績も評価されたといいます。情報システム部 システムセンターの堀口裕介氏は「ITインフラの構築と、その後の運用までセットで提案していただきました。コベルコシステムとは長年にわたる取引がありますが、これまで主軸でアサインをいただいたエンジニアは、当社の期待に最後まで粘り強く応えようとする姿勢が印象的でした。まさに『とことんともに』というスローガンを体現するような活動ぶりで、その姿からもコベルコシステムになら安心して任せられると判断しました。また、移行に際して重要なネットワーク要素において、当社の環境を熟知しているエンジニアに引き続き対応いただける点も安心材料でした」と語ります。
設計や要件について柔軟に対応、スケジュールの前倒しでコスト増も抑制
次期ITインフラの構築プロジェクトは、2022年後半から要件定義を開始し、2023年4月にキックオフ。設計・構築・移行・運用設計の各フェーズを経て、2024年12月に移行を完了しています。本プロジェクトは枝川氏がPM、菅氏がPLを務め、システム基盤/移行/ネットワーク/セキュリティ/運用の5チーム10名強の体制で推進。堀口氏は基盤、移行、ネットワークのチームリーダーを担当しました。
移行先は、クラウドサービスであるAzure(Windowsサーバー)と国内DC(物理サーバーや物理機器)とし、新たに環境を構築。リハーサルを経て、約10カ月にわたり順次サーバーの移行を進めていきました。さらにBCP対策として、東日本に置いた本番サイトとは別に、西日本に災対サイトの環境を用意。大規模災害時にも事業を継続できる環境を整備しています。加えて、コベルコシステムを主軸に、新たな運用基盤の構築から常駐/リモート運用、インターネットゲートウェイ、ヘルプデスク、リモート監視までを含む体制も再整備しました。
プロジェクトでは「2024年末までに新たなITインフラへの移行完了」を目指し、納期厳守を最重要方針として掲げていましたが、「課題が発生した際は、代替方式を複数検討し、納期と要件を満たす活動を行ってきたことが成功のポイントとなりました」と菅氏は振り返ります。
「オンプレミスからAzureへの移行にあたり、技術要件と実現可能性のギャップが随所で顕在化しました。こうした問題を放置していては、後工程に影響が及んでしまいます。そこで、スケジュールを踏まえながら要件と設計を具体化し、コベルコシステムと議論を重ねながら進めていきました」 また、プロジェクト期間中には、既存のプライベートクラウドのサーバー利用料が約10倍に上昇するという想定外の事態も発生しました。
「このときは、移行や運用設計を早期に実施してきたことで移行準備が整っていたため、早期に移行=費用を節約できるとの提案をいただきました。そこで、当社で社内調整を行うとともに、コベルコシステムに作業を対応してもらった結果、スケジュールを前倒し、コスト増を最小限に抑えることができました」(菅氏)
可用性の強化も重要なポイントとなりました。この点について枝川氏は「一部のシステムについては、災対サイトをアクティブ化し可用性を高めています。その際の通信経路の可用性についても協議し、複雑なネットワーク設定に関しては、コベルコシステムに対応いただきました」と語ります。
原則対面でのコミュニケーションにより、意思疎通がスムーズに
本プロジェクトにおいて、ネットワークを含めたITインフラの設計は非常に難易度が高く、Azureや国内DCへの移行、ネットワーク、インターネット、海外グループ会社との接続ポイントなど、考慮すべき事柄は多岐にわたり、これらを設計に落とし込むプロセスは容易ではなかったといいます。
「そこでドキュメントについては、自分が理解できるだけでなく、社内説明にも耐えうる内容にするため、コベルコシステムと共同で分かりやすさを意識し作成しました」(堀口氏)
さらに、プロジェクトを円滑に進めるための工夫として、ナブテスコとコベルコシステムとのコミュニケーションは原則対面とし、週1回のリーダークラスによる進捗会議に加え、各分科会を毎週のように開催しました。
「時には3時間に及ぶセッションもありましたが、密な対話を繰り返すことで、より意思疎通がスムーズになったと思います。この際、会社の垣根を超えてワンチームで取り組んだことも、成功のポイントと考えています」(菅氏)
導入の効果
柔軟性が高く、長期間にわたり利用できるITインフラに進化
移行完了から約1年半が経過した取材時点(2026年4月)で、ナブテスコが掲げた3つの目標はいずれも達成されています。「ITの進化/多様化に追従できる環境の構築」については、Azureの新機能を即座に利用・検証できる環境が整いました。これにより、従来は数カ月を要していたサーバー調達が短時間で完了できるようになり、従量制課金によりコストの最適化も進んでいます。
「以前は新しい技術を導入しようとすると、環境の構築に多大な時間とコストがかかっていました。今では導入の障壁が大幅に低減され、各部門から寄せられるシステム/サーバー構築の要望にも迅速に対応できるようになっています」(菅氏)
「セキュリティ対策の強化とBCPの整備」についても、各システムの優先度に応じた可用性設計を実現し、大規模災害時の事業継続性が大幅に向上しました。また、新たな基盤上のバックアップにはランサムウェアのリスク低減対策が実装され、セキュリティレベルは一段と強化されています。枝川氏は「サイバー攻撃の脅威が日ごと増大する昨今、安心感を提供できるITインフラとなりました」と評価します。
さらに、パブリッククラウドからプライベートクラウドまで、運用窓口をコベルコシステムに一本化したことで、これまで複数のベンダーに依頼していた対応が集約され、「運用・保守にまつわる工数の削減」が実現しました。コスト面についても、柔軟性・可用性・セキュリティを大幅に向上させつつ、従来と同水準に抑えることができています。
そして最大の効果といえるのが、今回の全面的な刷新によって長期間にわたり運用できるITインフラが実現したことです。堀口氏は「今後も拡大・進化が続くと期待するクラウドを長く使い続けられる基盤が整備できたことは本当に大きいです」と手応えを語ります。
今後の展望
新たなITインフラを基盤に、デジタル活用のさらなる高度化を目指す
ナブテスコは今後、Azure上に構築した新たなITインフラを基盤として、デジタル活用のさらなる高度化を目指しています。
「全社で推進している生成AIの活用に対応するため、より柔軟かつセキュアな仕組みの整備に取り組んでいきます。また、Azureの新サービスを導入したいという各部門からの要望へ迅速に対応できる環境を整えていきます」(菅氏)
また、枝川氏は今回構築したITインフラを、ナブテスコ単体にとどまらずグループ全体の共通基盤へ発展させる意欲を示しています。
「今回のプロジェクトにより、グローバル標準に近いITインフラを整備できましたので、今後はグループ内に分散している基盤の段階的な集約やITインフラとコミュニケーション基盤のシームレスな統合を実現していきたいと思います」
一方、堀口氏は将来的に運用の重要性がさらに高まるだろうと語ります。
「ランサムウェアの攻撃に備えた訓練・準備を継続しつつ、新機能の取り込みにも対応できる運用体制を整備していきたいと思います」
今回のプロジェクトにおけるコベルコシステムの支援については、スケジュールとコストの両面で目標を達成した点を高く評価しており、今後の運用支援にも期待を寄せています。
「以前から当社は、コベルコシステムへ全面的に依存するのではなく、『優れた提案であれば採用する』という対等な関係でお付き合いしており、今回も過去の経験を活かした効果的な提案をいただきました。"つかず離れず"で程よい距離感を保ちながら、しっかり話し合える関係性が今回のプロジェクトでも体現されていたと思います。今後とも、上流工程の企画からITインフラ、アプリケーション、運用まで、ワンストップでサポートいただけるパートナーとしてご支援いただければ幸いです」(枝川氏)
左からコベルコシステム 内山(運用PM※)、ナブテスコ 堀口氏、菅氏、枝川氏、コベルコシステム 木下(担当PM※)、柴田(担当営業※) ※2026年3月当時の役割を記載しています。
※この記事は2026年4月時点の内容です。
導入された企業様

ナブテスコ株式会社
設立:2003年9月29日
所在地:東京都千代田区平河町2丁目7番9号 JA共済ビル
URL:https://www.nabtesco.com/
資本金:100億円
売上高:3,079億円(2025年12月期)
従業員数:単体 2,186人(2025年12月末)、連結 8,472人(2025年12月末)
<事業内容>
精密減速機、鉄道車両用機器、航空機器、舶用機器、商用車用機器、自動ドア・ホームドア、食品包装機、福祉機器、風力発電機用CMFS機器、ワイヤレス給電・充電システム
〈会社概要〉
株式会社ナブコと帝人製機株式会社の2社が、2003年に統合し誕生。独創的なモーションコントロール技術で、移動・生活空間に安全・安心・快適を提供することを企業理念とし、その実現を目指してきた。航空機の飛行姿勢を制御するフライト・コントロール・アクチュエーション・システムにおいて世界有数のメーカーであり、国産機シェアではほぼ100%を占める。このほか、産業用ロボットの精度の決め手となる精密減速機は中大型向けでの世界シェア約60%、自動ドアの国内シェアも約60%など、さまざまな分野で高いシェアを獲得している。近年は、米国WiBotic社製ワイヤレス給電・充電システムの日本における独占販売店として、ワイヤレス給電・充電システムの国内販売など、新たな領域にもチャレンジしている。
導入したソリューション&サービス
関連する導入事例

ナブテスコ株式会社様
SAP S/4HANAと周辺システムのビッグバン導入により全体最適を実現、イノベーションを起こすためのデータ活用基盤を確立

トヨタ紡織株式会社様
SAP S/4HANAの基盤をAWSへ移行。インフラ利用のコスト維持やサポートの充実を実現

タビオ株式会社様
運用・保守サービスの継続的な活用によりSAP ERPをクラウド移行、運用負荷軽減などを実現


















![コベルコシステムを選ぶ理由 [Company Strength]](/common/images/2018/banner_strength_ub.jpg)

