株式会社ノーリツ様

株式会社ノーリツ様

26に分散し複雑化した基幹システムをmcframeで統合、独自機能を維持しながら経営に活用できるデータ基盤を構築

導入前の問題

  • 基幹システムの肥大化によってシステム連携が煩雑化し、システム運用や業務に多くの制約が発生
  • システムの運用管理や新規開発にかかる工数やコストが大きな負担
  • システム信頼性が低下し、停止時間が年々増加
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導入後の効果

  • システム集約により、管理対象システム数を減少させ、データ連携の制約を解消
  • 元日の計画停止を除く364日稼働のシステムを実現
  • マスターやデータベースの統合により、経営に活用できるデータ基盤を構築

導入のきっかけ

温水空調分野を中心とした住宅設備機器(給湯機器・温水暖房機器・キッチン(機器)・バスルーム・洗面化粧台・ガスファンヒーター)の製造、販売、サービスを提供する株式会社ノーリツ(以下、ノーリツ)では、基幹システムの肥大化・複雑化により、システムの信頼性が低下し、開発コストが増大するという問題を抱えていました。

そこで、東洋ビジネスエンジニアリング(以下、B-EN-G)の製造業向けパッケージ「mcframe」を導入することで、グループ経営を進める上で、将来的に拡張可能な基幹システム統合を実現しました。

30年以上運用してきた基幹システムが度重なる機能拡張で肥大化・複雑化

ノーリツでは、30年以上メインフレーム上で基幹システムを運用してきましたが、部分最適で機能を拡張してきたために、システムごとにデータベースが分散し、その数は26システムに肥大化していました。また、システム間のインタフェースの数も1500を超え、システム連携が煩雑になり、さまざまな制約を受けるようになっていました。

基幹システムが複雑化した最大の理由は、納期、コストを最小化するために外付けのシステムを開発したり、パラメータをプログラム中にハードコーディングしたり、部分最適の開発を繰り返し行ってきたことにあります 。それにより、機能変更のたびに、いくつものプログラム修正が必要な状態でした。

IT推進部 推進グループ リーダーの田谷昌顕氏は、「たとえば、あるシステムの機能変更をしようとした場合、変更対象のシステムと連携するすべてのシステムへの影響を調査しなければなりません。その調査にかかる工数が、システムの機能変更にかかる工数の約4割にも上りました」と語ります。

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IT推進部 推進グループ
リーダー 田谷 昌顕 氏

システムの制約が業務に影響することも少なくありませんでした。たとえば、システム間のデータ連携を土日にバッチ処理でおこなうため、基幹システムは月曜日から金曜日までしか稼働できませんでした。そうすると、月末の休日に出勤すれば、実績計上や在庫更新が翌月になるため、月末の休日は出勤できないというルールもありました。

変更対象のシステムに直接つながっているシステムには影響がない場合でも、その先のシステムに影響が出ることもあり、システムの信頼性は低下し、システム停止時間も年々増加していました。田谷氏は「2008 年に年間21分程度だったシステム停止時間は、2010年には約60分にまで増えていました」と話します。

さらに、開発当初は仕様書を作成していたものの、運用していくうちに仕様書を修正せずにプログラムのみを修正することや、仕様書なしで機能追加をおこなうこともあり、システムのブラックボックス化が進行していました。田谷氏は、「プログラムからトレースして仕様書を最新化することに時間も工数もかかっていました」と言います。

一方で、基幹システムを運用・保守してきたIT推進部の技術者が、高齢化の傾向にあることも課題としてありました。IT推進部 副理事の河合史夫氏は「次世代基幹システムを構築するための新しいIT技術者の育成が急務でもありました。基幹システムの煩雑化、IT技術者の高齢化などの課題を解決するためにも、基幹システムの再構築は不可欠でした」と語ります。

こうした状況下で、ノーリツは、2007年より基幹システム再構築の検討を開始しました。そして、中期経営計画に基づいた基幹システム再構築プロジェクトを2010年9月よりスタートしました。同社では、過去に外資系 ERPパッケージ導入を試みたものの、プロジェクトが中止となった苦い経験があります。そのような背景から、今回は、検討のために2~3年間という十分な構想期間を費やしました。

導入の経緯

ソースコードとデータベースを公開している点に注目

ノーリツでは、いくつかのベンダーの提案を比較検討した結果、mcframeの採用を決定しました。mcframeの採用を決めた理由について河合氏は「カスタマイズをおこなうことを前提に、ソースコードからデータベース構造まで公開しているパッケージを探したところ、2つの製品があり、その1つがmcframe でした」と話します。

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IT推進部
副理事 河合 史夫 氏

mcframeのパッケージとしての構造自体、ノーリツのシステム構築の考え方と合っていました。河合氏は「基幹システムの再構築においてはスクラッチ開発という意見もありました。しかし、根底にはベースとなるパッケージがあり、ノーリツ独自の機能についてはカスタマイズできて、伝票処理や在庫更新、原価機能などはフレームワークをそのまま使用するのがノーリツにとってふさわしいシステム構築のあり方だと判断しました。そこで、パッケージがベースとして持つフレームワークを生かし、その上でアプリケーションを自由にカスタマイズできるmcframe の採用を決めました」と話します。また、COBOL技術者しかいない現状を打破するために、開発言語はJavaにしたいという想いもmcframeの採用を後押ししました。

その一方で河合氏は「もちろん、最初はmcframeにも疑問はありましたので、2つのポイントについて検証をしました。1つは十分なレスポンスを実現できること、もう1つはノーリツの伝票処理に対応できることです」と話します。

ノーリツでは、メインフレームで稼働している基幹システムにおいて最も重い処理が受注処理でした。この処理において、当時は 1 秒程度のレスポンスを実現していました。「mcframeで、同等のレスポンスを実現できるのかという不安がありました。しかし、検証してみると約2秒の結果を得られたので、チューニングすれば十分なレスポンスを実現できるだろうと判断しました」と河合氏は言います。

もう1つのポイントであるmcframeの伝票処理に関しても、「B-EN-Gに調査をしてもらったところ、ノーリツの伝票処理に9割程度は対応できるという報告があり、こちらも実用に耐え得ると判断しました」(河合氏)

これら2つのハードルをクリアしたことで、2011年7月から本格的にmcframeの導入プロジェクトがスタートしました。

業務とシステムの両方を理解した人材がプロジェクト遂行のカギに

ノーリツは、今回のmcframeによる基幹システム再構築プロジェクトを、代表取締役社長をプロジェクト最高責任者とする体制で推進しました。この目的について、河合氏は「絶対に失敗できないので、トップダウンによる全体最適が必要でした。また現場の責任者に、必要な人材を参加させてほしいという要望に応じてもらうことも目的でした」と語ります。

また、プロジェクトメンバーの人選ポイントは、業務とシステムの両方を理解している人材であることでした。田谷氏は、「旧基幹システムの機能拡張のときから、営業系、財務系、生産系で、相談する現場の担当者は決まっていました。今回、mcframeを導入していく上で、業務がわかるシステム部門というのは最大の強みになります」と話します。

導入はノーリツの独自性を熟知した信頼できるビジネスパートナーに

このmcframeの導入プロジェクトにおいて、ノーリツはコベルコシステムをパートナーとして選びました。選定理由について、田谷氏は「コベルコシステムは、mcframeを提案してくれたことに加え、長年ノーリツの旧基幹システムの多くの機能を開発、運用、保守してきたことが挙げられます。ノーリツの独自性のある業務機能などを熟知し、IT推進部とともに業務改善などのしくみづくりにも取り組んできた実績もあります。コベルコシステムは、システム開発から運用、保守まで含めたトータルな提案をしてくれる、非常に強力で信頼できるビジネスパートナーです」と話している。

基幹システム再構築のイメージ
基幹システム再構築のイメージ

導入の効果

ほとんどの処理を同一基盤上に集約、旧システムで不足していた機能も充足

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IT推進部 推進グループ
主事 山本 仁志 氏

mcframeによる新システムのサービスイン時について、田谷氏は次のように語ります。「連休中にシステムを移行して、休日明けから新システムの運用を開始しました。これだけ大規模なシステムの移行を行うと、初日に大きなトラブルが発生する可能性が高いのですが、業務が停止するトラブルはありませんでした。業務を熟知している現場の担当者に、テストに協力してもらえたことがトラブルなく移行できた大きな要因だと思います」

システム面での導入効果として、以前は、毎日12時~13時のバッチ処理の間システムが使えない、月曜日から金曜日までしか利用できないという制約がありましたが、mcframe導入により、元日の計画停止を除くすべての日(364日)でシステムを利用できるようになりました。また、これまでは処理ごとに異なるシステムを使う必要がありましたが、システムが統合されたことで、同一基盤上でほとんどの処理ができるようになりました。

パッケージ導入による一貫性のとれたユーザー体験を実現したことに加え、今回の刷新によって、旧システムにはなかった細かな機能も実現しました。仮名文字しか印字できなかった伝票の漢字対応や、円に換算して入力していたドルや元などの外貨入力の自動化といった対応のほか、ノーリツ独自のコード体系で把握が難しかった地域コードの郵便番号化などです。伝票処理については、mcframeのフレームワークをそのまま使用しているので品質の低下がなかったことも大きなメリットです。

mcframeの使いやすさについて、IT推進部 推進グループ 主事の山本仁志氏は次のように話します。「mcframeは、Excelの実装仕様書にパラメータを設定することで、ソースコードを自動生成できるので、画面イメージを非常に短時間で開発できます。開発した画面イメージは、現場の担当者に見せながら仕様の確認ができるので便利です。画面の項目の並び順やソート順、列固定のほか、検索条件の保存などを、ユーザーごとにカスタマイズできる機能も現場の担当者に好評です」

品目別実際原価を導入、原価の分析も行いやすくなった

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IT推進部 推進グループ
リーダー 髙山 陽一 氏

業務面での導入効果を IT 推進部推進グループ リーダーの髙山陽一氏は次のように話します。「これまで、伝票を訂正する場合、正しい元の伝票を選ぶのは人任せでした。例えば 10 日前に出荷した商品の単価を修正しようとしても元伝票参照機能がなかったため検索に時間がかかり、チェックも大変でした。mcframeを導入したことで、過去の伝票を簡単に素早く検索・参照し訂正処理ができるので、間違いのない処理を迅速に行えるようになり、利便性が大幅に向上しました」と話します。

また、IT推進部 推進グループ 参事の脇舛琢司氏は、次のように語ります。「以前の原価管理は、標準原価計算だったので、品目別に実際原価情報を保持しておらず、原価率が悪化しても原因がよくわかりませんでした。しかし、mcframeを導入したことで、品目別に実際原価が計算されるようになり、原価を可視化できるようになりました。当初は、原価計算方法の変更に抵抗がありましたが、今では、要因分析ができることや、原価計算の履歴がわかることなどが現場の担当者に評価されています」

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IT推進部 推進グループ
副参事 松田 潤 氏
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IT推進部 推進グループ
参事 脇舛 琢司 氏

さらにIT推進部 推進グループ 副参事の松田潤氏は、「ExcelやCSVへの出力が、基本機能として組み込まれている点が非常に評価されています。現場では、Excelを使って仕事をするのがスタンダードになっています。mcframeは、ユーザーが自由に条件を設定して必要なデータをCSV出力し、Excelで容易に加工できるので便利です」と、業務との親和性を高く評価しています。

今後の展望

新技術導入時の制約から解放、経営に活用できるデータ基盤へ

今回の基幹システム統合によって、複雑化していた構成を整理し、不要帳票の廃止やプログラムステップ数の大幅削減など、多くのスリム化を実現しました。河合氏は「特に今後、IoTなどの新しい技術を導入するときに、データ連携の制約がなくなったことが、mcframeを導入した最大の効果です」と話します。さらに、コベルコシステムに関しては、「何か問題が発生したときでも、原因を迅速に分析してくれて、柔軟に対応してもらえたことを高く評価しています」と話します。

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IT推進部
部長 内山 寿夫 氏

今後の展望について、松田氏は「2019 年に向け、別の環境で稼働している生産系システムをmcframeに取り込むことを計画しています。現在、受注入力から納期回答、生産着工指示までの間に人の手を介在する業務がありますが、これを完全に自動化することで属人化を無くし、負荷軽減を図ります。そうすることで、より付加価値の高い作業に人材を再配置することもでき、さらなる生産性の向上が期待できます」と話します。

また IT 推進部 部長の内山寿夫氏は、「mcframeを導入したことで、経営に活用できる柔軟なデータ基盤を構築することができました。今後は、この基盤をさらに拡張していく段階に入っていきます。現状では、ノーリツ単体の仕組みですが、海外拠点やグループ会社にも展開し、グループ経営を進める仕組みに拡張していくことも必要です。コベルコシステムとB-EN-Gには、そのためのサポートを期待しています」と話しています。

※この記事は2018年7月時点の内容です。

導入された企業様

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ノーリツ社の製品
(システムキッチン、システムバス製品)

株式会社ノーリツ

創業:1951年3月
所在地:神戸市中央区江戸町93番(栄光ビル)
URL:http://www.noritz.co.jp/
資本金:201億67百万円(2017年12月31日現在)
売上:2,146億48百万円(連結:2017年12月期)
従業員数:連結 8,815名/単体 2,796名(2017年12月31日現在)

〈事業内容〉
温水空調分野を中心とした住宅設備機器の製造、販売、サービスを事業としてグローバルに展開。

〈会社概要〉
1951年創業。「おふろは人を幸せにする」を創業の原点に、お湯のある生活を通じて人々の暮しを豊かにするための製品・サービスを提供する。
2017 年から2020 年までの中期経営計画では、「新しい幸せを、わかすこと。」をグループミッションに掲げ社会から必要とされる企業、世界で戦える企業になることを目指している。

導入したソリューション&サービス

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