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毎月更新中!社長通信 社長が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2014年07月01日

「育てる」こと

アジサイ

梅雨です。すっきりしない空模様が続き、ジメジメしたのはどうも苦手です。お米を始め、植物たちにとっては恵みの雨でもあり、またその恩恵を受ける人にも必要な季節でもあるのですが。

この季節にはやはりアジサイが似合います。拙宅の庭にも一株のアジサイが植えてあります。3年前に淡いブルーの鉢植えを買ってきて、翌年の春に地植えしたものですが、買ってきた頃から比べると、ずいぶんと大振りに育ってきました。ただ、土のpHが違うのか、花の色は紫がかったピンクに変わりました。今年の冬は堆肥を施したので例年にも増して多くの花を咲かせていますが、相変わらず花の色はピンク。素人が知識もなく出来あいの肥料をやったからなのか、どうも思った色になりません。狙った色に育てるには、やはり、それにあった堆肥が必要なようです。

隣家との境目にはシラカシが何本か植わっています。同じ時期に同じ造園会社に植えてもらったものですが、日照などの条件も同じ、水や肥料も同じように与えているのに、葉がよく生い茂るのもあれば、細々としたものもあり、背丈もバラバラ。一方で、低木のアベリアは何もしなくてもよく育ち、頻繁に剪定しないと暴れてしまって景観を損ねるほどです。

花を見ても、胡蝶蘭は、水加減と日照と温度をある範囲に保てば、毎年花をつけます。商品価値を出すには相当な努力と技術が必要のようですが、花を咲かせる程度なら、素人の私にもできます。水をあげすぎたり、日照が強かったり、あれこれ失敗もありますが、概して世話をしすぎないほうが良く育つようです。一方、バラはたっぷりの日照と水が必要だし、虫もつきやすく、かなり過保護にしないときれいな花が咲きません。「がんばれ」「もっと成長しなさい」なんて、声を掛けてもダメなようです。人も植物も自らを育てる力を持っています。育てる方は、それぞれの性格にあわせて育て方を変える「気配り」と「丁寧さ」が必要なのかもしれませんね。

現代病のひとつとなった花粉症。これは、杉やヒノキなど単一の商業目的の樹木を植林し、しかも国内林業が衰退して野放図になってしまったのが一因だといわれています。森の健全な生態は、画一的でまっすぐ育つ植物だけでは担保されません。いろいろな個性を持つ動植物が互いに関連し、共存することによって、豊かな自然が保たれるのです。

今では緑したたる六甲山の山並みも、昔は伐採し過ぎてはげ山となり、土砂崩れなどの天災の元になっていたそうです。それを回避すべく、明治時代後半から植林を始めたしたのですが、その際、育成が早い外来種を植えたために、それが密生して生い茂り、日照も悪く、ササが群生し、他の草木が生えず、栄養の少ない森になってしまいました。成長の早い植物の根は浅いので地盤を支える力が弱く、雨が続くと土壌の流失につながります。現在、当社が地域貢献活動として参画している国土交通省の六甲山系グリーンベルト整備事業は、六甲山を元のように多様で豊かな森にすることによって、強靭な地盤をつくることです。

いろいろな植物が共存する森、つまり多様性にあふれた森は環境変化に強い。そこに思いを馳せた時「これは、組織や会社にも当てはまるのではないだろうか」と思い至りました。ダイバーシティが提唱されている昨今、ジェンダーギャップを解消し、色々な国籍の社員が活躍できる会社こそ、環境変化に強い、柔軟に対応できる会社になれるのではないでしょうか。当社もダイバーシティに取り組んでいます。人の成長と歩調を合わせて組織のカルチャーも成熟していくことを考えると、10年くらいの時間感覚で取り組むのが良いと思っています。スパンが長くなっても、毎年着実に何らかの成長が感じられるように、具体的なロードマップを作り、成長していきたいと思います。

梅雨に降り込められて外を眺めながら、植物を育てることは人を育てることに、森を育てることは組織を育てることに、一つの共通項があることをしみじみ感じました。

2014年7月

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