2013年03月01日
事業の舵取り、IT羅針盤
いつの時代にも難しい舵取りはあるものですが、今の時代、変化の激しいIT部門に携わるCIOやシステム部門長、IT関連部門の方々は、ますます広い視野での判断が求められています。クラウド、スマートメディア、ビッグデータなどは、ユーザー部門がその職務や事業展開において、直接関係するインフラであり、アプリそのものです。ユーザーが独自の判断で導入し、他のシステムとの整合性が担保されなくなる可能性が高まり、その業務だけ見れば問題ないが、他のシステムとの連携の悪いサイロ型システムになり、全社的にみたらコストの最適化に問題が生じる可能性があります。
したがってIT部門は、ITの技術はもちろん、ユーザー部門のビジネスや業務プロセスを一層熟知していく必要が高まって来るでしょう。ユーザーが今、何に関心があるのか、その実現に向けて何に取り組もうとしているのか、よくコミュニケーションし洞察しておかなければ上記のような不都合が生じてしまう訳です。
ガートナー社の調査(*)によると、「パッケージやSaaSなど業務領域に応じ割り切って活用するほうが得策」と答えた会社が86%もあります。また、「利用部門がIT部門の管轄外で独自にクラウドを導入・活用」と答えた会社が17%(従業員数1000人以上の企業群)、「将来は、部門固有のシステム構築を利用部門が主担当」にする会社が28%(売上規模1000億円以上の企業群)というアンケート調査(JUAS 2011)が出ています。そして「2015年までにはIT支出の最大35%がIT部門の予算枠外で管理されるようになる」と予想されています。
大規模ショッピングセンターである阪急西宮ガーデンズで導入された、大規模なスマートメディアの展開は、従来にないお客様との接点を作り出しています。お客様の新しいニーズを掘り起こし、ガーデンズの利便性を高め、それがガーデンズのブランド形成に結び付く可能性を大きく秘めています。スマートメディアとネットワーク、そしてそこから生じる大量のデータ。それを分析することで新たなマーケティングに結び付けていく。このように、IT部門は単なる基幹システムを担当するだけでなく、事業に直結したシステムの構築にも知見を持たなければ、企業の成長に貢献できなくなります。
当社でもBIやクラウドに取り組んでいます。プライベートクラウドや、ある領域に特化したパブリッククラウドのサービスも展開していますし、その構築もご支援させていただいています。これからは、IT技術のみならず、お客様のビジネスの理解にもっともっと力を入れて、お客様と共に成長していきたいと考えています。
*Gartner Symposium / IT xpo 2012
「日本のITサービス・ビジネス:2013」山野井聡様、2012年10月5日より
2013年3月
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Kobelco Systems Letter を購読ライター

元 代表取締役社長
川瀬 俊治
2009年 取締役。サービスビジネスを中心に業績に貢献。
2012年3月に代表取締役社長就任。
マラソン走ったり山に登ったり、体を動かすのが好きなアウトドア派。
2017年3月退任。
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