株式会社神戸製鋼所様
データ分析基盤「DataLab®」にSnowflakeを導入、全社規模でのさらなるデータ活用を促進
- 導入したソリューション
- データ統合基盤構築・利活用支援サービス
- キーワード
- Snowflake、クラウド、DWH、生成AI、BIツール、スマートファクトリー、IoT
導入前の問題
- 各事業部門が個別にデータ活用を実施、データやノウハウが分散していた
- 社内や事業部内の各所に分散する構造化されていない大量のデータを扱える環境が必要
- KOBELCOグループの中期経営計画において掲げたDX戦略への取り組み
導入後の効果
- 統合データ分析基盤「DataLab」を構築したことで、全社規模での組織的なデータ活用が実現
- DataLabへのSnowflake導入により、研究開発データや操業設備の時系列データなど多様なデータを一元的に保存・管理し、テーマに合わせて分析ができるようになった
- Snowflakeの導入により、ユーザーがさらなるデータ活用に踏み出しやすくなる環境が実現
導入のきっかけ
全社規模での組織的なデータ活用の促進を目指し「DataLab」を構築

IT企画部
インフラ・セキュリティグループ長
兼 デジタルイノベーション技術センター
AI・データサイエンス推進室
南 和男 氏
日本を代表する鉄鋼メーカー・神戸製鋼所を中核としたKOBELCOグループ。同グループは、2024度から2026年度までの中期経営計画において、AX~GXまで7つの変革(X)を掲げて“KOBELCO-X” と総称し、魅力ある企業への変革と事業戦略の実現を目指しています。この7つのXでは、「稼ぐ力の強化と成長追求(AX)」と「カーボンニュートラルへの挑戦(GX)」を最上段に設定。両者を実現するための変革をCX²(お客様対応変革)、EX(人材戦略・従業員体験向上)、FX(ものづくり変革・工場変革)、BX(業務変革)の4つとし、これらを実現・加速・高度化する手段にDXを位置づけています。この点について、IT企画部 インフラ・セキュリティグループ長 兼 デジタルイノベーション技術センター AI・データサイエンス推進室 の南和男氏は「全ての「X」の推進において、これからは『“D”=“デジタル技術”דデータ”』を抜きで考えることはできません。DXは、このXとDの関係を反転させ、「xD:バイ デジタル&データ」として、各「X」と結びつけ、Dによって各Xを実現・加速・高度化していく取り組みです。DataLabの整備・推進も“デジタル化”を基軸にしたKOBELCOの変革を支える取り組みのひとつです。」と説明します。
同社では、2014年ごろからIoTやビッグデータの重要性を認識し、事業部門で製品開発や製造現場の改善などに活用してきました。2016年にはIT企画部と技術開発本部の主導のもと、操業データや製品データの分析支援やデータサイエンティストの育成を開始。そして、2019年にグループ全体でDX戦略を推進するための基盤として、データ蓄積から前処理、分析までの機能を提供することを目的に構築されたのが、DataLabです。 「それまでは、データの蓄積や分析を全社で活用できるプラットフォームがなく、各部門でデータ基盤がバラバラに構築されていました。そのため、事業部門の研究者が個別に分析システムを開発、利用していたのですが、これでは組織を越えた活用ができません。そこで、データとノウハウを統合的に管理し、全社規模での組織的なデータ活用を促進する基盤としてDataLabを構築することにしたのです」(南氏)
DataLabの初期段階では「材料開発」と「設備診断」で活用
DataLabの初期段階では、ニーズが大きく横展開が期待できる「材料開発」と「設備診断」の2分野をユースケースとし、研究開発データや操業設備の時系列データなど、構造化されていない大量のデータを扱える環境を全社に提供することを目標としました。そのためには、膨大なデータを迅速に収集・蓄積し、柔軟にリソースを追加できる環境を準備する必要があります。そこで、クラウドを活用したデータ分析基盤を構築しました。データベース層では、ExcelやCSVなどの構造化データ、XMLといった半構造化データ、画像や音声ファイルなどの非構造化データなど、さまざまな形式の生データを一元的に保存・管理し、分析テーマに合わせて適切な形式に変換しています。
現在、材料開発用のDataLabは材料開発部内で活用。データサイエンティストがマテリアルズ・インフォマティクス(MI)に取り組み、データ解析、シミュレーション、AIなどを駆使してお客様の欲しい材料を実現するレシピを効率的に探索しています。また、設備診断用のDataLabは事業部門で活用されており、生産設備のあらゆるデータを収集/蓄積し、ビッグデータ解析とメカニズムベースの解析を組み合わせることで、異常を早期に予知/検知。安定した操業を支えています。
「DataLabは、材料開発と設備診断のスタッフに協力を仰ぎ、ユースケースの選定段階から一緒に作り上げてきました。材料開発では異なる形式で記録される研究データの整理や整形に苦労しましたし、設備診断では大量のデータ収集の仕方と扱いが大変でしたね」(南氏)
導入の経緯
幅広いデータを効率よく管理できるSnowflakeを共通データ基盤に導入、パートナーには過去の実績からコベルコシステムを選定
材料開発と設備診断の2分野でスタートしたDataLabですが、さらに幅広い分野で活用していくためには、より多くのデータ形式が蓄積できるデータ基盤を構築する必要があります。そこで南氏が次なる一手として取り組んだのが「Snowflake」の導入でした。Snowflakeは、コンピュートとストレージを分離したマルチクラスターアーキテクチャを採用したサービスで、高いスケーラビリティを備えており、大量データを高速に処理することができます。
「Snowflakeを採用した理由ですが、画像データから時系列データまで幅広いデータを一括で効率よく管理できるという点を評価しました。また、ユーザーインターフェースもわかりやすく、高度なクラウド知識が不要で、ITの専門家でない研究者でも扱える使いやすさもポイントになりました」(南氏)
2023年、神戸製鋼所はSnowflakeを導入。IT部門での検証やテスト利用を経て、2024年よりSnowflakeをDataLabに組み込んだ共通データ基盤の構築に着手し、コベルコシステムに支援を要請しました。コベルコシステムをパートナーに選んだ理由については、製造の現場を熟知していることと、これまでの支援実績にあったといいます。
「コベルコシステムとは2022年にKOBELCOグループのDX戦略を共に推進するパートナーシップを確立しており、当時から二人三脚でDataLabの構築に取り組んできました。また、以前から工場系システムや業務系システムの構築を依頼してきた実績もあり、製造現場の知見からクラウド、インフラ、IoT、基幹システムまで幅広い知見を有していることから、支援いただくことは自然な流れでした。他社も検討しましたが、安心して任せることができるコベルコシステムを選択しました」(南氏)
スモールスタートで試行錯誤しながらSnowflakeのノウハウを習得
Snowflakeの導入プロジェクトを振り返って南氏は「Snowflakeのノウハウを蓄積することにまず注力した」と語ります。
「当社としてもSnowflakeの導入が初めてであり、他社での事例も少なかったため、どのような分析ができるのか、どのようなデータが保存できるのか、どのようなテーマを選定していいのかといったことがすべて手探りの状態でした。そこで、まずはスモールスタートとして一部の研究データや設備データでトライ&エラーを重ねつつノウハウを習得していきました。テーマ選定は苦労しましたが、現場の知見があるコベルコシステムと二人三脚で進めたことで、既存システムとの整合性や連携面などの難しい課題にも的確に対応してもらえました。おかげで予定通りサービスインすることができ、今後のデータ活用推進拡大の目途が立ちました」(南氏)
導入の効果
ユーザーがデータ分析に踏み出しやすくなる環境が実現
同社では、Snowflakeを適材適所で利用することを想定しています。大量のデータを蓄積して月次単位で分析したい、基幹システムのデータと連携したいといった際にはSnowflakeが最適ですが、場合によっては既存のクラウドサービスを組み合わせたほうが早いこともあります。ユーザーのニーズに合わせて提供の仕方も柔軟に対応していく構想です。
Snowflakeの特長はデータ管理のしやすさにあり、研究・開発やIoT・製造設備、ERPなど、各所に分散した構造化データ、半構造化データ、非構造化データを集約・蓄積・整理することが可能です。また、Snowflakeのプラットフォーム内には、生成AI機能や大規模言語モデル(LLM)との連携機能なども統合されているため、データを外部へ出すことなくチャットボットを構築できたり、機械学習を用いた故障予知機能を実装できたりと、セキュリティに配慮しつつさまざまな機能を利用可能です。
「共通データ基盤にSnowflakeが組み込まれたことで、ユーザーがデータ分析に踏み出しやすくなったのは事実です。実際、先行して利用している材料開発や設備保全の分野で開発期間の短縮や業務効率の向上が実現しているのを見て、ウチも試してみたいという部門も増えています」(南氏)
今後の展望
事業部門やグループ企業への横展開と基幹システムや業務システムのデータ活用を検討
今後、神戸製鋼所ではSnowflakeをニーズのある他の事業部にも展開していく計画です。また、将来的には利用の輪をグループ企業へ広げていくことも検討しています。
さらには、DataLabを活用した「データ民主化」にも取り組む予定で、IT企画部では工場の操業設備から各種データを取得するための簡易センサーとゲートウェイをセットにしたスモールスタートパックを用意。工場全体でデータ活用を進める活動を進めています。このように事業部やグループへの横展開を進めながら、取得するデータの種類を拡大していく構想で、DataLabを業務系、クラウドシステム、基幹システム等のデータを統合したデータ分析基盤へと進化させる予定です。
「現在は研究データや工場系データの蓄積が中心ですが、今後は基幹システムやSaaS、クラウド上で稼働している業務システムのデータをSnowflake上で統合的に管理し、個別のAIではなく、統合されたデータ基盤に対する共有の横串でのAI活用やデータ分析に取り組んでいきたいと思っています。また、研究部門で長年蓄積してきたレポートや資料などの非構造化データと、研究の実績データや進捗データを掛け合わせ、AIで効果的な研究テーマを抽出する取り組みにもチャレンジする予定です。こうした活動により、KOBELCO-XのCX²、EX、 FX、BXに貢献していきます」(南氏)
DataLabの構築およびSnowflakeの導入・活用を支援してきたコベルコシステムについては、機動力の高さ、課題解決に寄り添う姿勢、新たな技術にチャレンジする精神を評価。今後の支援にも期待を寄せています。
「コベルコシステムにはデータの収集から蓄積・統合、可視化、データ分析に至るまで、DataLabの活用促進とDX推進を幅広く支援いただいています。生成AIの活用においても先進的な取り組みを共に進め、データから新たな価値を創出する仕組みづくりを支援いただいております。今後は、そうした取り組みを発展させる新たな提案にも期待しています」(南氏)
導入された企業様

株式会社神戸製鋼所
創業:1905年9月1日
設立:1911年6月28日
所在地:兵庫県神戸市中央区脇浜海岸通2-2-4
URL:https://www.kobelco.co.jp/
資本金:2,509億円(2025年3月31日現在)
売上:2兆5,500億円(連結:2024年度)
従業員数:連結 39,294名/単体 11,895名(2025年3月31日現在)
〈事業内容〉
鉄鋼・非鉄金属及びその合金の製造販売、鋳鉄品・鋳鍛鋼品及び非鉄合金の鋳鍛造品の製造販売、電気供給事業、産業機械器具・輸送用機械器具・電気機械器具およびその他の機械器具の製造販売、各種プラントのエンジニアリングおよび建設工事の請負等
〈会社概要〉
1905年の創立以来、社会の発展のため高品質な製品を市場に供給し続けてきた鉄鋼メーカー。現在は、鉄鋼アルミ、素形材、溶接の素材系事業、機械、エンジニアリング、建設機械の機械系事業、電力事業の3つを主軸に、多様な事業を営む世界でも数少ない企業として確固たる地位を築き上げている。同社を中心としたKOBELCOグループでは、魅力ある企業への変革をテーマとした2024年度から2026年度までの中期経営計画において、稼ぐ力の強化と成長追求、カーボンニュートラルへの挑戦、サステナビリティ経営の強化を最重要課題としている。
導入したソリューション&サービス
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