日本トムソン株式会社様

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“攻めの経営”を実現する情報基盤としてSAP ERPによるシステム統合を展開、中期経営計画で掲げるグローバル化を推進

導入前の問題

  • 海外グループ企業毎に個別の基幹システムを構築・運用
  • 国内の基幹システムは部門間で情報が分断され、生産や在庫状況に基づいた業務が困難
  • 原価を正確に把握するしくみがなく、原価を意識した生産や営業活動ができない
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導入後の効果

  • SAP ERPで国内外のシステムが統合され、共通言語による業務コミュニケーションが実現
  • データ管理基盤の一元化により、生産や在庫状況が可視化され、的確な納期回答を実現
  • 製品別原価を正確に把握できるようになり、採算や収益を意識した生産や営業活動が可能に

導入のきっかけ

各種機械の重要要素であるベアリング(軸受)および関連機器などの製造・販売を手がける日本トムソン株式会社(以下、日本トムソン)では、中期経営計画でビジネスのグローバル化を掲げ、国内外の製造・販売拠点に乱立していた基幹システムの統合を決断。コベルコシステムをパートナーとして選定し、SAP ERPの導入を進めています。現在、国内およびベトナム、中国への導入が完了し、システム統合の効果が現れはじめています。今後は欧州や米国へと展開してグループ全体で経営数値の可視化を実現、原価分析の強化による原価の低減や、製販連携による適正在庫の維持などに取り組んでいく予定です。

ビジネスのグローバル化を目指しシステムの統合を検討

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常務取締役 岡嶋 徹 氏

「社会に貢献する技術開発型企業」という経営理念のもと、ベアリングおよび関連機器などの製造・販売事業をグローバルに展開する日本トムソン。高品質・高性能な同社の製品は国内外から高く評価されており、半導体業界、ロボット業界、工作機械、医療機器、輸送用機器などあらゆる分野で広く活用されています。

同社がSAP ERPを導入するきっかけは、2015年度を初年度とする前中期経営計画「CHANGE & CHALLENGE」内で、“攻めの経営への転換”として「グローバル化」を掲げたことにありました。海外での売上のさらなる拡大に向けて、ベトナム工場の増強や、アジア、米国における販売力の強化を推進することになったのです。しかし、ここでネックになったのが、同社が利用している基幹システムでした。

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情報システム部
部長 水野 正一 氏

当時、海外のグループ会社はそれぞれが個別の基幹システムを運用しており、その仕様は統一されていませんでした。一方、日本国内の基幹システムはホストコンピュータベースで構築されたものを30年以上にわたって利用しており、内製されたシステムやパッケージベースのシステムが混在している状態で稼働していました。情報システム部 部長の水野正一氏は「国内外にシステムが乱立しており、結果として生産、販売、会計、物流の業務担当者は個々の数値情報しか把握ができず、製品力や販売力を強化する上で障害になっていました。また、原価を正確に把握するしくみがなく、原価を意識した業務ができていませんでした」と振り返ります。

そこで、同社は基幹システムを統合し、それによって原価管理の強化や各種作業の標準化、物流の最適化などを実現することにしたのです。

従来の基幹システムの状況
従来の基幹システムの状況

導入の経緯

提案力、案件に対する理解力、プロジェクトマネジメント力を評価しコベルコシステムを選定

日本トムソンは、ERPパッケージをベースに新規で基幹システムを構築することを決断。10社近くのITベンダーに提案を依頼し、各社の提案の中からSAP ERPの採用を決めました。

「複数製品を比較した結果、グローバルでの実績を重視しSAP ERPを選びました。SAP ERPは当社の規模では高嶺の花というイメージもありましたが、想定よりも導入コストを抑えられることがわかり、チャレンジすることにしたのです」(水野氏)

導入プロジェクトは2013年夏にスタートしましたが、いきなり頓挫してしまいます。パートナーとして選んだベンダーとプロジェクトマネジメントの面でトラブルが発生してしまったのです。そこで同社はパートナーの変更を決断。ピンチヒッターとして選ばれたのがコベルコシステムでした。

「最初の選定の時点から、コベルコシステムの提案力や案件に対する理解力は高く評価していました。また、プロジェクトマネジメント力が高く、PMやプロジェクトの体制もしっかりしていたことから、改めてコベルコシステムに協力を依頼することにしたのです」(水野氏)

2014年1月からコベルコシステムと再スタートを切ったプロジェクトは、要件定義、設計、構築、テストと進み、2016年10月に比較的業務プロセスがシンプルなベトナムの生産会社から本稼働を開始しました。その後、2017年5月に国内の生産・販売拠点(8工場、19営業所/支社、2海外営業部)で、2018年8月に中国の販売会社で稼働を開始しました。SAP ERPのモジュールについては、ベトナムの生産会社には生産から購買・在庫、販売、会計、原価までの一式、日本国内には会計を除く生産から購買・在庫、販売、原価、中国の販売会社には生産を除く購買・在庫、販売、会計と、各拠点の要件に合わせて導入しました。

「コベルコシステムの製造業向けテンプレートHI-KORTをベースに全社共通のテンプレートを構築し、必要に応じてカスタマイズしながら各国に展開しています」(水野氏)

独特の生産形態に合わせてシステムを構築、トップダウンによる業務プロセス改革も推進

システムの構築においては、日本トムソン独特の生産形態である「多品種小ロット生産/見込と受注のハイブリッド生産」への対応がポイントとなりました。顧客の多岐にわたるニーズに対応するため、製品寸法などの変更要望に合わせた形番(社内用語)が数多く存在するため、大量のマスターデータを整備する必要がありました。そこで同社では、各業務部門から要員を集めてマスターデータ専門のチームを結成。65万近くあった形番を整理し約15万まで削減しました。そして、新システムの利用に必要な項目を用意して、マスターデータを完成させることができました。

同社の強みである特殊要件以外は、極力SAP ERPの標準機能に合わせるという方針を掲げ、トップダウンでBPR(業務プロセス改革)を推進しました。この点について、常務取締役の岡嶋徹氏は「プロジェクトの責任者に社長を据え、経営会議と直結させました。つまり、役員全員を巻き込み、経営と現場が一体となってプロジェクトを進める体制をつくったのです。この際、コベルコシステムには経営会議を含め、環境作りの面でさまざまな支援をいただきました。また、4年にわたるプロジェクトの間、コベルコシステムのコンサルタントやSEには社内に常駐してもらい、的確にプロジェクトをマネジメントしていただき、本当に助かりました」

導入の効果

製品ごとの原価が把握できるようになり、採算や収益を意識した生産や営業が可能に

日本トムソンでは、これまでにベトナムの生産会社、日本国内の販売、生産拠点、中国の販売会社の3社でSAP ERPを稼働させています。現時点では、現場のユーザーを中心にシステムの習熟に努めている段階ですが、システム統合の効果はすでに現れています。中でも、製品別原価を正確に把握できるようになったことは大きいといいます。

「今回のシステム化で、製品ごとの原価まで明らかになるため、採算や収益を意識した生産や営業が可能になりました。現在は標準原価や実際原価を把握するしくみも構築済で、これによって工場の採算も格段に向上することが期待できます」(岡嶋氏)

また、かつては業務部門ごとに分断されていた情報が、別の部門からも見られるようになったことで、たとえば、営業部門が生産や在庫の状況を見ながら的確な納期を回答するといったこともできるようになっています。さらに、新たに経営ダッシュボードを導入したことにより、経営層は迅速に意思決定することが可能になりました。

現在の基幹システムの状況
現在の基幹システムの状況

今後の展望

ヨーロッパとアメリカの販売会社にロールアウト、国内の会計システムをSAP ERPに統合

日本トムソンでは、2019年から欧州の販売会社(オランダ本社とヨーロッパ各地の支社)および米国の販売会社への展開を開始する予定です。一方、国内では、別システムで稼働している会計システムを、サポート切れのタイミングでSAP ERPへ切り替える予定で、これによって生産から会計までシームレスな連携が実現する見込みです。

岡嶋氏は「各業務部門が共通言語で会話ができる基幹システムは会社の財産です。今後もこのシステムを中心に経営や業務が回っていくことは間違いありません。強い基幹システムを作っていくためにも、コベルコシステムにはハードウェアとソフトウェアの両面からの支援をお願いしたい」と期待を語ってくれました。

※この記事は2018年12月時点の内容です。

導入された企業様

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日本トムソンの代表製品

日本トムソン株式会社

創業:1950年2月
所在地:東京都港区芝2-7-17
URL:http://www.ikont.co.jp/
資本金:95億3,317万390円
売上:552億2,800万円(連結:2018年3月期)
従業員数:2,389名(グループ合計:2018年9月30日現在)

〈事業内容〉
針状ころ軸受(ニードルベアリング)等、直動案内機器(直動シリーズ、メカトロシリーズ)、諸機械部品。

〈会社概要〉
国内で初めてニードルベアリングの自社開発に成功した高度な技術力と、ニーズを丁寧にくみ取る顧客対応の細やかさを強みとしています。IKOブランドで提供する高品質・高精度のベアリング(軸受)および軸受関連機器は、半導体製造装置などのエレクトロニクス関連装置、ロボットなどの産業用機械、ものづくりを支える工作機械、自動車をはじめとする輸送機器等、あらゆる産業で欠かせない機械要素部品として社会で幅広く利用されています。

導入したソリューション&サービス

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