神鋼リース株式会社様

神鋼リース株式会社様

仮想デスクトップで、セキュアで高パフォーマンスな環境を構築し、業務効率・顧客満足度の向上とビジネスへの貢献を実現。

本ページはシトリックス・システムズ・ジャパン株式会社のWebサイトに掲載されている導入事例を転載しています。

導入前の問題

  • リモートアクセスのパフォーマンス
  • Windows10への移行
  • 業務効率化とセキュリティの両立
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導入後の効果

  • 端末の起動時間と使い易さの改善
  • 一元管理によるオペレーションコストの削減
  • リモートワークによる働き方改革の実現

課題

神戸製鋼グループの総合リース会社である神鋼リース株式会社は外出先からも業務を遂行できるようにタブレット端末とリモートデスクトップ環境を利用していましたが、パフォーマンスと使い勝手に大きな課題がありました。同社はその課題を解決するためにCitrix Virtual DesktopsとGoogle Chromebookによるセキュアで高パフォーマンスな環境を構築し、営業担当者の業務効率・顧客満足度の向上とビジネスへの貢献を実現。働き方改革の基盤としても活用しています。

金融業ならではの高いセキュリティ要件と生産性向上の両立

神鋼リース株式会社は神戸製鋼グループの総合リース会社。神戸の本社を中心に札幌から福岡まで主要都市に営業拠点を持ち、“ものづくり”の精神を大切にしながら、様々なファイナンスメニューを提供しています。多くの機密情報を取り扱う同社では非常に厳しいセキュリティ要件を設定しており、社用PCの社外利用は大きく制限されていました。

神鋼リース株式会社 企画部 兼 営業統括部 主任 楞野 智華 氏
神鋼リース株式会社
企画部 兼 営業統括部
主任 楞野 智華 氏

一方で外出の多い営業部門からはPCの持ち出しや外出先から社内システムへの接続許可を求める声も多く、同社はセキュリティを担保しながら社外での業務を許可するためにタブレット端末を導入しました。PCを持ち出すのではなく、外出先から社内のPCへリモートデスクトップ接続させる方式を採用したことでセキュリティ要件を満たすことはできましたが、起動時間や操作性に課題が残り、ユーザーからは不満の声も聞かれました。同社の情報システム責任者である企画部 楞野智華氏は以下のように振り返ります。「タブレット導入当初は喜んでいた営業担当者も、起動時間の長さや使い勝手の悪さから改善の要望が増え、場合によっては使わない人も出てきてしまいました」

また、タブレット端末から接続しているPCは常時起動しておかなければならず、接続などに問題が発生するたびに社内にいる人に対応してもらう必要があったのもユーザーの不満のもとになっていました。その後、同社はWindows 10への移行、サーバーのリプレイスとあわせてリモートアクセス環境の改善を計画。セキュリティを担保しながら操作性を改善し、生産性を向上させる施策としてデスクトップ環境をサーバーに集約するVDI方式の検討を開始しました。「当社においても『働き方改革』は経営上のテーマになっています。そのためリモートアクセス環境の改善は営業担当者の業務効率化だけでなく、全社員の次世代の働き方を支える基盤として重要な位置づけになるものです。これを実現するためには生産性とセキュリティの両立はなくてはならない要件でした」と楞野智華氏は説明します。さらに、操作性などに問題があったタブレット端末に代わるデバイスについても検討しました。

ソリューション

VDI化によるデスクトップ環境の一元管理とChromebookの活用

セキュリティを担保しながら高い操作性を持ち、生産性の向上に寄与するリモートアクセス環境の整備を進めるためには大きく2つの観点でソリューションの選定が必要になります。1つはデスクトップ仮想化製品、そしてもう1つはユーザーが利用する端末です。

コベルコシステム株式会社 システム事業部 ICT本部 ネットワークソリューショングループ 担当課長 森 拓洋
コベルコシステム株式会社
システム事業部 ICT本部
ネットワークソリューショングループ
担当課長 森 拓洋

神鋼リースからの依頼を受けて本プロジェクトのシステムインテグレーションを担当したコベルコシステムはデスクトップ仮想化製品にCitrix Virtual Desktopsを選定し、POC(基本動作検証)の環境を構築。その理由について、同社システム事業部 ICT本部 担当課長 森拓洋氏は以下のように語ります。「金融業が求めるセキュリティ要件を満たすこと、業務に支障のないパフォーマンスを発揮できることを条件に選定しました。また、Citrix Virtual Desktopsでは統合された管理ツールおよびきめ細かいポリシーの設定によって効率的な運用管理が可能になります。さらにこれまでの実績も加味すると、ほかの選択肢は考えられませんでした」

また、ユーザーが利用する端末をこれまでのタブレット端末からGoogle Chromebookに変更しました。「業務アプリケーションの操作性を考えるとノートPC型の端末がよいと考えました。従来のWindowsベースのシンクライアント端末も検討しましたが、運用管理を含めたトータルコストなどを勘案しChromebookのメリットが大きいと考えました。また、タブレット端末に慣れたユーザーが持ち運びやすいよう、薄型で軽量なモデルを選定しました」(森氏)

端末の紛失や盗難による情報漏えいを防ぐために、Chromebookのローカル環境は使用せず、すべてのアプリケーションやデータは仮想デスクトップ環境でのみ利用するように管理されています。また運用管理面でも、Citrix Virtual Desktopsのポリシーベースの管理に加え、Chromebookの管理コンソールによるシンプルで効果的な管理が可能になります。

このようにして、Citrix Virtual Desktopsによる仮想デスクトップ環境とChromebookの組み合わせでの展開が決定しましたが、別の課題として仮想デスクトップに使用するWindowsのライセンス費用がありました。これに対応するため、同社では仮想デスクトップに使用するOSとしてWindows 10ではなくWindows Server OSを採用しました。Server VDIとしてWindows Server OSを仮想デスクトップとして利用する形は正式にサポートされており、ライセンス費用もWindows 10などのクライアントOSを使用する場合より削減することが可能です。さらに森氏は「Windows Server OSの利用に加え、仮想デスクトップをユーザー専用として移動ユーザープロファイルを使用しないことにより、運用コストを削減することもできました」と、様々な面でのコスト削減を実現できたことを付け加えます。

システム構成図イメージ
システム構成図

導入の効果

顧客対応スピードの劇的向上と運用管理の効率化

神鋼リース株式会社 建機営業部 東京建機営業室長 楞野 茂康 氏
神鋼リース株式会社
建機営業部 東京建機営業室長
楞野 茂康 氏

こうして2017年10月にサービスインしたVDIによるリモートアクセス環境ですが、単なるプラットフォームと端末の変更以上の効果を同社にもたらしました。建機営業部 東京建機営業室長 楞野茂康氏はユーザーの立場でそのメリットを説明します。「Chromebookはタブレット端末からの変更でも違和感のない起動時間ですぐに業務環境にアクセスできます。起動後のパフォーマンスや使い勝手もよいため、営業対応時も業務アプリケーションを安全に利用し、お客様への応答時間を劇的に短縮することができました。これまでは確認内容があれば事務所に持ち帰るか、社内にいるアシスタントに確認してもらうため回答に時間がかかることもよくありました。今ではその場で確認して即答できるためお客様からの評判も上がり、結果として商談機会を増やすことができました。さらに直行直帰が可能になり、働き方も変わってきました」

また、ユーザーが利用する環境がセンターで一元管理されることにより、運用面でのメリットも明確になりました。たとえば人事異動によってユーザーの配属が変更になると、これまではそのユーザーのPCを管理者が預かり、接続情報やプリンタの設定などを変更してユーザーに戻していたため、その間ユーザーがPCを利用できないことがありました。しかし現在では端末自体の設定変更は不要となり、異動などがあっても業務に支障が出ることはなくなりました。また障害発生時などもセンターで一元的に管理されているため迅速な対応が可能になりました。

セキュリティ要件が厳しく、情報漏えい対策としてユーザーのPC利用も制限していた同社ですが、パフォーマンスや運用管理性も含めた管理者としてのメリットも明確です。

「これまではPCの紛失、盗難や公共のWi-Fiへの接続などがリスクでしたが、いまの環境では管理者としても安心感が圧倒的に違います。また、VDIを導入したことで帯域の細い拠点からの通信でも起動時間、パフォーマンスが飛躍的に向上し、社内での評判も上々です」(楞野智華氏)

今後のプラン

働き方改革の基盤としての拡充とさらなる業務効率化

Citrix Virtual DesktopsとChromebookの組み合わせによるリモートアクセス環境はセキュリティ強化だけでなく、業務効率化とビジネスへの貢献、「働き方改革」の基盤としてすでに大きなメリットをもたらしています。

今後注力したいテーマとして挙げられたのはVDI環境の多重化によるBCP対策とマルチデバイス対応です。「災害などでシステム障害が発生してしまった場合にも業務に影響が出ない仕組みを作ること、現在のChromebookに加え、スマートフォンなどの活用も検討し、より場面に応じた端末で必要な業務処理を迅速にすることを目指していきたいです」本システムの構築支援を行ったコベルコシステム社への期待も含めて楞野智華氏は締めくくりました。

※この記事は2019年5月時点の内容です。

導入された企業様

神鋼リース株式会社 ロゴ

神鋼リース株式会社

創業:1984年10月1日
所在地:神戸市中央区脇浜海岸通2丁目2番4号
URL:http://www.shinkolease.co.jp/
資本金:7億4325万円(2019年3月現在)

〈事業内容〉
1. 各種動産のリース、賃貸借、売買、割賦販売及び保守管理
2. 金銭貸付・保証業務・債権買取ならびに集金代行業務
3. 生命保険募集業務
4. 前各号に付帯または関連する一切の業務。

導入したソリューション&サービス

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