株式会社村田製作所様

株式会社村田製作所様

レガシーシステムを刷新し、基幹システムの『ITリスク』と『情報伝達のスピード』の課題を解決

導入の目的、お客様ニーズ

村田製作所様のグローバルビジネスを支える基幹システム

「Innovator in Electronics®」をスローガンに掲げ、時代とともに多様化する電子部品の独創的発展を通じ、広く社会に貢献する株式会社村田製作所(以下、村田 製作所)。そのビジネス領域は、携帯電話やコンピュータ、AV機器など、エレクトロニクスの中心的な分野から、自動車や環境・エネルギー、ヘルスケアなど の新領域に至るまで広範にわたります。1962年10月の旧ソ連向け第一回プラント輸出を皮切りに、1963年3月には、ニューヨーク駐在員事務所を開設 するなど、海外でのビジネスにも早くから取り組み、現在では、売上の約90%が海外からのオーダーで構成されるなど、正にグローバルな企業としてビジネス を展開しています。

村田製作所にとって、IT環境はそのビジネスを支える上で必要不可欠なものとなっていますが、稼働開始以来20数年使い続けてきた以前の基幹システムは、 さまざまな課題を抱えていました。このため同社では、各種課題を解決し、より堅牢で長期にわたる安定的な稼働を実現するため、2006年、基幹システム再 構築プロジェクトをスタート。コベルコシステムを含むパートナー3社と共に、約4年のプロジェクト期間を経て、2010年3月、無事に全面サービスインを 迎えました。

レガシーシステムが抱える課題と基幹システム再構築の狙い

ITリスクの回避と情報伝達スピードの向上
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ビジネスシステム連携
・改革推進部
担当次長 原田 政明 氏

「基幹システム再構築プロジェクトの狙いは、『ITリスクの回避』と『情報面でのスピードの向上』でした」-村田製作所 ビジネスシステム連携・改革推進部 担当次長 原田政明氏は、今回のプロジェクトの狙いについて、こう語ります。

今回の再構築以前に使用されていた基幹システムは、1987年に実稼働を開始し、メインフレームをベースに稼働するPL/I言語で開発されたアプリケーションから構成されていました。長期にわたる運用・改変を通じて“かゆいところに手が届く”きめ細かな機能を備えるものとなっていましたが、その半面、リスクや将来的な展開における柔軟性の欠如など、各種の課題を抱えていました。 

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ビジネスシステム連携
・改革推進部
IT戦略企画課
係長 小林 久芳 氏

ITリスクという視点では、人的リソースの枯渇と、テクノロジーの陳腐化が顕著でした。村田製作所 ビジネスシステム連携・改革推進部IT戦略企画課 係長 小林久芳氏は、「当時メインフレームで使用していたIDMSと呼ばれるネットワーク型のデータベースは、21世紀になった時点で、国内の利用企業数が、弊社と他の1社のみという状況になっていました。メーカー側でも技術者が2名しかいないため、継続使用した場合には大きなリスクがありました。また、基幹システムの開発言語であったPL/Iについても、技術者の枯渇が顕著でした。今回のプロジェクト直前にあったY2K(2000年問題)対応の際、PL/I技術者を集めようとした際に、その高齢化と人材確保の難しさを痛感しました。このようなITリスクを回避することが新システムでは必須条件になりました」と強調します。

ITリスクの回避という“守り”の要件に対し、ビジネスのスピード化は、“攻め”の要件と言えます。 「情報伝達のスピード化、ビジネス要件に対応したシステム機能追加のスピード化などが重要と考えました。弊社では、お客様から問い合わせがあった納期の回答の品質とスピードについて、常に他社よりも優位性を持っていたいというこだわりがありました。しかし、グローバルな取引の場合、この実現は容易ではなく、たとえば、ヨーロッパの場合、最大44時間前後かかってしまうというのが実態でした。さらに、システム改変が必要になった場合にも、複雑化や人的リソースの問題から、3ヶ月〜半年経たないとシステムに反映できないという状況が発生していました」(原田氏)。

以前の基幹システムが抱えていた課題
ITリスクの回避 データベース技術の陳腐化 メインフレーム上で使用するネットワーク型DBの技術が陳腐化、メーカー側の国内技術者も2名のみ
プログラム開発技術者の減少 PL/I技術者数が激減
システム保守性の悪化 プログラム数の増加とレガシープラットフォームの保守性の低さ
ビジネスのスピード化 情報伝達のスピード化 納期回答など内外への情報提供に時間がかかる
ビジネス要件への対応 ビジネスの変化に対応するシステム改変に時間がかかる

これらの課題を解決するため、2006年4月、基幹システム再構築プロジェクトがスタートしました。

導入の経緯

プロジェクト概要

内製化とオープン性を重視。ピーク時には400人/月におよぶ大規模開発プロジェクト

再構築の対象となったのは、販売管理(SS)、生産管理(PS)、資材管理(MS)の3システム。パートナー3社を含め、ピーク時には月間400人が稼働する本プロジェクトは、約8,100本のアプリケーション、340万ステップという大規模なものでした。

新システム実現にあたって村田製作所がこだわったのは、内製化とオープン性の確保でした。
原田氏は、「今回構築した情報システムは、製造の基本業務である販売管理、生産管理、資材管理をカバーする非常に重要な経営資源です。この重要なシステム の構築や運用にあたっては、外部委託ではなく、要員を社内で確保し育成することが不可欠と考えています。また、パッケージ製品を使用せずオープンシステム を採用することを前提としました。以前、パッケージ製品を試しましたが、弊社の業務要件が全く満たせず、さらに、納期回答におけるスピードも期待を大きく 下回るものだったからです」と話します。

本プロジェクトの3つの特徴

  1. 村田製作所が主体となったプロジェクトの企画と運営
  2. プライム・パートナーを設置しない
  3. 複数のパートナーと協業して、チームとして成果をあげる

コベルコシステムは、最初から本プロジェクトに参画し、基幹システムのアーキテクチャ構築支援、SQLデータベースの性能確保に向けた造り込みやチューニ ング、さらにプロジェクト管理に向け最適化したツールの開発などを担当。大規模システム開発における経験やノウハウを活かし、プロジェクトに貢献しまし た。
こうして、多くの人材と約4年の歳月をかけた新基幹システムは、2009年3月の資材管理システム(MS)、同年12月から翌年3月にかけて、販売管理システム(SS)と生産管理システム(PS)を、工場ごとに3段階に分けて無事サービスインを迎えました。

基幹システム再構築による効果

納期回答時間を4分の1に短縮し、顧客満足度を向上
人に依存していたITリスクも解消

オープンシステムをベースに基幹システムを構築したことより、システムの陳腐化、技術者枯渇というITリスクを回避した村田製作所ですが、もう1つのテーマであったビジネスのスピード化という意味でも大きな導入効果をあげました。

原田氏は、「懸案であった納期回答が大幅にスピード化されました。最長44時間かかっていたヨーロッパ案件の納期回答が、4分の1の11時間に短縮されま した。これは、データベース操作に関わるパフォーマンスの問題で、以前は1日1回しか実施できなかったバッチ処理が、新システムでは3回実施できるように なったことによるものです。さらに、ビジネス要件の変化に伴うシステム改変も、柔軟かつ迅速にできるようになりました。ITリスクの回避に加え、情報面で のスピードの向上が実現できたことは、CS(顧客満足度)向上という点から考えても、大きな導入メリットと言えるでしょう」と強調します。

当社のミッション

コベルコシステムの貢献

プロダクト作成段階での品質、大規模システムのノウハウ、提案力で高い評価を受ける
本プロジェクトにおけるコベルコシステムの貢献について、小林氏は次の3つのポイントをあげます。

  1. 開発の上流工程における高い品質
  2. ホストコンピュータを使用した大規模システムへの精通
  3. プロジェクト全体の標準となるような高い提案力

「コベルコシステム社に対する評価の1つは、機能品質、性能品質を含む、プロダクト作成段階での品質の造り込みの高さです。通常の開発後のテストでは多く の手戻りが発生しますが、コベルコシステム社の場合はほとんど手戻りが発生しませんでした。一例をあげれば、開発の後工程でDBのパフォーマンス・チュー ニングが一切発生しませんでした。これは我々製造業と同様に、“モノを造る段階で品質を造り込む”というスタイルを実践している証だと考えます。

2つ目は、ホストコンピュータを前提とする大規模システムに精通していること。データベース設計や大量データ処理の実装、ホストコンピュータのアーキテクチャをよく理解し、そのノウハウが十分に発揮されたと感じています。
3つ目は高い提案力。今回のプロジェクトにおいて、コベルコシステム社から受けた提案は、質が高く、開発工数の削減にも貢献するので、その後のプロジェクトの標準になった例が多々ありました」(小林氏)。

今後の展望

グローバル化に向けて更なるコベルコシステムの貢献に期待

新基幹システムを導入し、期待効果をあげた村田製作所ですが、その視点は既に未来に向けられています。
今後の展望に触れ、最後に原田氏は、次のように締めくくりました。

「今後、村田製作所のビジネスがさらにグローバル化していくことは確実と思われます。システム開発でもこれに合わせた対応が必須になってくると考えていま す。たとえば、要件定義は日本で、仕様書作成は海外(例えば中国)で、システム開発は仕様書作成以外の国で実施するといった形態が当たり前になってくると 思います。このようなグローバル規模でのシステム開発では、国内のみの開発プロジェクトとは違った課題が発生すると想定されます。現在、コベルコシステム 社とは、国内プロジェクトだけでのお付き合いですが、今後のグローバル・プロジェクトでもその高い能力を発揮し、プロジェクトの成功に貢献いただけること を期待しています。」

※コベルコシステムでは、本プロジェクトを含め、レガシーシステムの移行・再構築プロジェクトで培われたノウハウを集約した戦略的なレガシーマイグレーションサービスである「ITモダナイゼーション」を提供。
企業のIT環境における柔軟性と俊敏性実現を促進しています。

導入された企業様

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株式会社村田製作所

所在地:〒617-8555 京都府長岡京市東神足 (ひがしこうたり) 1丁目10番1号
URL:http://www.murata.com/
創業:1944年10月
設立:1950年12月23日
資本金:693億77百万円 (2015年3月31日現在)

〈事業内容〉
ファンクショナルセラミックスをベースとした電子デバイスの研究開発・生産・販売

導入したソリューション&サービス

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