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2020年07月01日

IoTの生い立ち、現状について

皆様、こんにちは。コベルコシステム株式会社技術開発本部デジタルイノベーションセンターIoTプラットフォームGr 幾井 左(いくい かずさ)と申します。今回からIoTについて、皆様の疑問、お悩み事、進め方、技術紹介、活用事例について、何回か連載でご紹介したいと思います。皆様からもご質問、お知りになりたいことを文末のお問い合わせフォームをご利用いただければ、わかる範囲でお答えしてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

第一回目の本稿は、IoTの生い立ち、現状についてお話しします。

日本で、Industrial Internetや、Industry4.0という言葉が頻出し始めたのは、2014年頃です。これと併せて、IoTという言葉もよく聞かれるようになってきました。
またIoTの分野において2020年は、日本のIoTの活用は、米国、ドイツ、中国の約半分程度になり、大きく遅れるであろうとの予測がありました。
今回のコロナ禍でも、他国、特に中国ではモバイルを用いた、移動監視、接触監視、通行許可の仕組みなどがニュースになっていました。IT技術の活用という一側面だけで見ると、確かに日本は活用が遅れていると感じられた方も多いのではないかと思います。
日本の文化、価値観から見たときに、すべてをITで監視され、制御されるということはなかなか受け入れられるものではありませんが、危機に直面したとき、ITをいち早く活用し問題を解決できるかどうかは、日頃からの技術の蓄積、活用経験の積み重ねの上にあるのかもしれません。

Industrial InternetやIndustry4.0は、IT技術を活用し、今までできなかったことを実現する。今言われている製造業でのデジタルトランスフォーメーションそのものです。その中の一つの分野として、IoTがあります。
IoTという言葉も、”IoTを使って、人間の生活を改革する。”といったようにデジタルトランスフォーメーションとして語られることもありますし、単にリアルタイム、リモートでモニタリングする技術と捉える場合もあります。

当社では、2017年から「IoTプラットフォームサービス」をSaaSとして提供し、お客様に、早く、安く、IoTをご導入いただけるサービスを提供しています。
IoTといっても、弊社が提供するのは、産業装置、製造現場向け用途となっており、製造業のデジタルトランスフォーメーションの足元を担うものと考えています。

  • 製造現場では、「5ゲン(現場、現物、現実、原理、原則)主義」があります。
  • 製造業のIoT活用は、そのうちの「3現(現場、現物、現実)」を捉える仕組みです。
  • 製造現場では、すでに、この「3現」を捉える仕組みは出来上がっています。

現場には、各種計測機器が備え付けられており、今ではすべてデジタルデータで保管し、品質管理、生産技術管理に活用されていることと思います。すでにできているのに、なぜ今頃、製造業向けIoTなのか ということになります。
多様な顧客ニーズに対応し、多品種、少量生産を志向し、かつ、常に発生する現場の問題に迅速かつ最適な生産計画の変更で対応しようとするならば、現場の状態をデータ化し、それをコンピュータに蓄え(デジタルツイン)、コンピュータの力を借りて分析し「原理」を発見する。随時変化する中で自律最適な現場制御を行い「原則」を常に守る。これを実現する第一歩がIoTの活用になります。

次回は、製造管理とISO22400、IoTの活用場面について書いてみたいと思います。

※当社ホームページに、IoTプラットフォームサービスの紹介資料を掲載しています
https://www.kobelcosys.co.jp/solution_service/detail/kits/

※お問い合わせフォーム
https://www.kobelcosys.co.jp/inquiry/other/

2020年7月

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