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2020年03月01日

パワードスーツ
~過酷な作業から人の健康を守る~

パワードスーツとは

人の体を覆い、力作業の補助や一般的な人では発揮することのできない能力を付与する「パワードスーツ」は、小説やSF映画といった空想の世界では昔から登場していました。ちなみにこのパワードスーツという名称は、これ以外にも「アシストスーツ」や、外骨格の英語表記である「エクソスケルトン」や「エクソスーツ」といった名称でも表されています。
(本コラムではパワードスーツで統一します)

現実世界でのパワードスーツは、軍事用途や、一般向けとして医療・介護分野での要介護者の補助目的で注目を集めてきました。更に近年では肉体労働分野での作業支援としてニュースで取り上げられることも増えています。今回のコラムでは、このパワードスーツを紹介します。

パワードスーツによる運搬作業の負荷軽減
図1:パワードスーツによる運搬作業の負荷軽減

パワードスーツの用途

パワードスーツの用途としては以下のようなものがあります。

  • 医療・介護分野向け
    • 介護の現場において介護者を運ぶことをサポートする
    • 四肢の不自由な方の自律行動をサポートする
  • 肉体労働分野向け
    • 農業や空港、工場、家電量販店などの運搬業務における足腰への負担を軽減する
    • 人が持ち運びできないほどの重さの物を繰り返し持ち運びできるようにする

また最近の傾向として、パワードスーツと聞くと機械で体を覆い、電力などの動力源を持ち、その動力源が生み出すパワーで人をサポートするというものをイメージすると思われますが、それとは全く異なる動力源のないタイプも登場しています。それは空気やバネなどによる反発力を利用して駆動し、見た目も機械というよりは登山やロッククライミングで使うハーネスのような形状です。価格も数千円から数万円で購入可能なタイプも存在するなど、この分野もバリエーションが広がってきたことが伺えます。

空気やバネの力を利用したパワードスーツ
図2:空気やバネの力を利用したパワードスーツ

パワードスーツの今後

パワードスーツは現在、その利便性や価格などから利用者は増えているものの、まだ活用範囲は限定的といえるかもしれません。しかし、装着者の反応をチェックし、運搬時の姿勢を補正し作業を最適化するといったインテリジェント機能も備わりつつあります。パワードスーツのバリエーションの広がりや、低価格の製品の登場により、農業や流通業など足腰への負担がかかる分野における対処法として、有効な手段の1つとなっていくと思われます。

労働市場における人手不足が叫ばれる昨今において、より過酷な肉体労働分野に向けて、人の健康を守るための1つの手段としてのパワードスーツに今後ますます注目が集まるかもしれません。

2020年3月

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