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コベルコシステムニュース

代表取締役社長 酒井 哲夫 社長メッセージ

Web2.0と「フラット化する世界」の衝撃

最近のITを中心とした世の中の大きなうねりを感じるビックリニュースを皆様に紹介し、それらへの対処について考えてみたいと思います。謂く、Web2.0(ウェブにーてんぜろ)がもたらす「フラット化する世界」の衝撃です。

ビックリニュースの1番目はマイクロソフトの創業者のビルゲイツ会長(50)が2008年7月をメドに経営の一線から退き、慈善事業の運営に専念すると表明したことです。ビルゲイツに代表される米IT業界の「世代交代」が鮮明になったといえます。そしてこれはゲイツの時代、OSの時代が終り、ヤフーやグーグルに代表されるネットサービス、ネットを舞台に事業展開するWeb2.0の新時代移行への幕開けに今日あることを象徴する出来事といえます。Web2.0とは2000年前後のITバブル崩壊後に生まれてきた新しいインターネットの時代、新しい技術や思想、新しい組織の形を表す概念であり、Webの世界で起きている新しいトレンドの総称です。検索エンジン・サービスで有名な「グーグル」がその象徴的な企業です。

最近SNS(ソーシャルネットワーキング・サービス)といわれるインターネットを使ったコミュニティサービスが爆発的に拡大しています。参加者協調のスタイルで趣味や仕事も含めた水平型のコミュニケーションにより生活レベルの向上や仕事の生産性向上を図るいくつもの事例が報告されています。そして2005年3月末、国内ブログ利用者数は延べ約335万人:SNS参加者数は約111万人、2007年3月末にはブログ利用者782万人、SNS参加者数は1042万人になると予測されており、情報発信型のウェブサイトであるブログと共にコミュニティ志向、参加型のSNSの爆発的な普及が見込まれます。そしてこのWeb2.0の新しいプラットフォームが世界をますますフラット化していきます。

このようなWeb2.0の世界への突入の中、最近私自身が経験した2つ目のビックリニュースを披露しましょう。先頃インターネットを利用した在宅型のWeb英会話の受講を始めました。パソコン上に取り付けたWebカメラを通じて先生の顔と自分の顔がPC画面上にリアルで鮮明にうつり、双方向で会話しながらメッセージや白板の活用もできる簡易e-Learning式のWeb英会話教室です。驚きは授業料がマンツーマンの英会話教師料も教材料もすべて入れて、45分間1回645円という格安な値段で可能なことです。何故こんな格安な値段でマンツーマンの英会話個人授業ができるかというと、このシステムがWeb2.0の世界の上にあり、フィリピンにいるフィリピン人の英語教師を使った仕組になっているからです。正にWeb2.0の衝撃であり、フラット化する世界の典型的な事例と云えます。

3つ目のビックリニュースは、先日インド・バンガロールで行われたIBMの年一回の投資家向け説明会の壇上で発表された、米IBMのインドへの大幅投資による技術サービス事業のサプライチェーンの改革です。

IBMは過去2年半でインドの従業員を9000人から4万3000人に増強。今や米国に次ぐ2番目の人員を誇る規模に成長、更に今後向う3年間で6600億円投資し12万人を超えるシステム開発要員を採用し戦力として日本を含む世界のシステム開発&アウトソーシングサービス需要に応え体制強化をはかるという発表がありました。これはインドのIT技術者の低い人件費(米国の20分の1と言われる)と高い技術力を確保することにより、全世界のIBMのITサービスビジネスの競争力強化を行い、インドIT企業(TATA/WIPRO/INFOSYS)とも価格競争で対峙し、世界No1のポジションと高い成長の維持を目的としています。米IBMは「グローバルに統合された業務遂行」を実践し、コストを下げると同時にサービスの質を高め、競争力を強化し収益成長を加速しようとしています。サービス事業の再編がインド・バンガロールを軸に行われようとしており、これまた「フラット化する世界」の象徴的な出来事と云えます。

ピュリツアー賞を三度受賞した敏腕のジャーナリスト、トーマス・フリードマン著の「フラット化する世界」という本が今話題になっています。「フラット化」とは世界のシステムが指揮・統制の垂直的なシステムから世界の多様な人々の「接続と共同作業」の水平な仕組みへ移行していくことをいいます。そしてそれを可能にしているのが、グーグルに代表される「フラットな世界のプラットフォーム」即ちWeb2.0の世界というわけです。6つの新しい形の共同作業“アップローディング”、“アウトソーシング”、“オフショアリング”、“サプライチェーン”、“インソーシンング”、“インフォーミング”が、フラットな世界のプラットフォームの出現で可能となりました。著者のいう現在のグローバリゼーション3.0の時代はユビキタスの時代(どこでも誰でもいつでも簡単に共同作業ができる)であると同時に、世界がフラット化している時代でもあります。そして世界のフラット化は止めようのない歴史の大きな流れであり、個人も企業もこの変化に適応しなければ生き残っていくことが不可能となります。生き残るのは「かけがえのない、特化した」人か、地域に密着している人か、新ミドルといわれる人であるとフリードマンはいいます。

新ミドルとは諸知識の合成役(シンセサイザー)、偉大な共同作業者、まとめ役、偉大な説明役、偉大な適応者であり、IQよりもCQ(好奇心指数)+PQ(熱意指数)の高い人であり、そのような新ミドルこそが求められる時代となります。また今ほどイマジネーションが大切な時代はありません。企業にとってはこのフラット化する世界で可能になった物事をいち早く認識し、活用する戦略を立て対処する事が必要となります。壁を築くことではなく、むしろコアコンピテンシーを突きとめそれを強化していくことが一層重要となります。あるお客様のトップが言われた「牛を売ることなかれ、乳を売れ」という言葉に表わされる「フラット化する世界」に見合ったビジネスモデルの構築と変革が求められます。

コベルコシステムの使命はこのフラット化する世界のプラットフォームを一早くお客様にお伝えし、有効な活用の為の提案を行い、そして自らもWeb2.0に代表されるプラットフォームの活用を積極的にすすめ、お客様の経営力向上と「フラット化する世界」への適応をご支援することにあると考えます。イマジネーションを働かせ、好奇心と熱意をもってこのフラットな世界に積極的に前向きに対応していく者にこそ明日があると考えています。

2006年7月

参考図書 1:「フラット化する世界(上・下)」 トーマス・フリードマン著 日本経済新聞社
  2:「ウェブ進化論-本当の大変化はこれから始まる」 梅田 望夫著 ちくま新書

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