社長通信 社長・瀬川文宏が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2018年03月01日

お客様の信頼を得るには
~その② 自分を磨く:知識と教養、そして知恵と洞察へ~

スケート

早いものでもう3月になります。当社は1月-12月が会計年度で第1四半期の締めを迎えていますが、大方の企業は3月末決算で年度末の追い込みと次年度予算や新体制の組閣で大変に忙しく過ごされていることと存じます。すこしずつ暖かくなって春の兆しが感じられますが、まだまだ三寒四温なので無理をしすぎて体調を崩さぬようにしたいものです。

さて先月のコラムでお客様の信頼を勝ち得る3つの要素を挙げました。

①お客様を理解する
②自分を磨く
③ゴールの共有と実現

今月は「その② 自分を磨く」、に焦点を当てます。といって、あらためて自己研鑽の必要性についてコメントするのもどうかと思いましたが、磨き方次第でお客様と目線・視野を共有した景色の見え方に大きな違いが出るのもまた事実です。知識に経験が加わることで教科書的でなく実践的なお客様と同じ景色が共有でき、更にはお客様には見えていないものを示唆して気付いてもらう。そういう関係になれば互いに尊敬し、深く理解しあえる真のパートナーと言えるのではないでしょうか。

ではどのように磨くかということを述べます。
当社の20代の社員には、まずは普通の景色が見える所まで、担当したお客様の業界および業務知識、そしてITの基本的な知識を持つことを求めています。これらは座学+αで習得できます。次に複数のプロジェクト、お客様との関わりを経験することでお客様のビジネス課題も現場で理解でき、実践的な迫力が加わってきます。これはOJTで得るものであり、30代に磨きたいものです。そしてマネジメント層になってくると、ここに必要な要素として教養が加わってきます。歴史(日本史、世界史、近代史)、地政学、これらを踏まえての経済・政治情勢といった固いものだけではなく、文化・芸術・スポーツ・飲食etcの趣味につながる柔らかいものまで多岐にわたるものが教養のコンテンツです。ウィキペディアによると教養とは一定レベルの様々な分野にわたる知識や常識と、古典文学や芸術など質の高い文化に対する幅広い造詣が、品位や人格および、物事に対する理解力や創造力に結びついている状態を指すそうです。(※1)

※1 ウィキペディア「教養」より抜粋」  

私も含めた経営層やマネジメントが磨きつづけるべきものは、まさに品位や人格および、物事に対する理解力や創造力に結びつく教養ではないでしょうか。知識を経験と教養で知恵に昇華させ、お客様と共有した景色に知恵を加えて洞察を提供できれば、それは素晴らしい事だと思います。

とはいえ自分磨きは自分に甘い人間には(私自身もその一人なのですが)なかなか習慣づけるのが難しいものです。平昌五輪で金メダルをとった小平選手のような求道者は多くはいないと思います。でも誰でも夢やゴールをイメージし、そこに向かう過程で磨いた成果を認められたり褒められたりすると、それが動機付けにはなるのではないでしょうか。身近なものでは、お客様やチームの仲間と会話する時の話題提供の小ネタを探す、それを自分流に磨いて会話する、そしてそれがうけることに喜びを感じれば次の高いステージを目指すものです。私自身の経験でも、歴史や近代絵画、ワインやレストラン情報などでお客様との話がはずみ、ビジネスの話はそっちのけでしたが互いが理解しあえて信頼関係が構築でき、結果的にビジネスもうまくいったという事が何度かありました。これがモチベーションとなって、すこしでも教養を広げようと今は幅広い読書や美術館めぐりを心掛けています。またそれらはこのコラムのテーマ探しにも役立っていると思います。

IBMの創業者であるトーマス・ワトソンJrは「教育に飽和点はない」という名言を残されています。IBMはこの方針をもとに社員の教育に大きな投資をし、素晴らしい人材をIBMという会社の枠を超えてIT業界に輩出してきました。日本においてもIT企業のトップに日本IBM出身者が多いのはその表れです。私はこの名言が大好きで当社の人材育成もそれに倣っています。

この名言は教養と置き換えても通じますね。人生100年の時代ですので、ビジネスの世界でのお客様との信頼関係だけでなく、地域社会でも大切な時間を楽しく有意義に過ごせるような教養と品性を生涯に渡り身に着けてゆきたいものです。

2018年3月

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