社長通信 社長・瀬川文宏が気になること、考えさせられたことを綴ります。

2017年09月01日

感応(センス&レスポンド)
~IoTと基幹システムの連動なくして成果なし~

とんぼ

まだまだ暑いですが、ゴルフ場で赤トンボを見かけたりして少しずつ小さい秋を感じてきますね。四季のある日本で暮らせて本当に幸せです。夏休みが終わり9月に入ると大半の企業は上期決算に向けての追い込みでエンジン全開、年末決算の企業は年度予算達成への活動と次年度予算の策定でこれまた全速力でビジネスにまい進されていることと思います。当社も12月決算ですので、第3四半期の締め月であり、加えて次年度からの次期中期経営計画策定もあるため、マネジメント達は大変な思いをしています。

会社の方向を示すのは経営トップの役割ですが、それを会社組織として実行につなげるには、ミドルマネジメントがその方向性の意味を理解して腹に落とし、部下に具体的な行動を示すことがとても大切だと思います。それ故に今の時期は彼らには大変かもしれませんが、中期経営計画をマイプランと思えるまで練り上げてもらいたいと思っています。今回のテーマは、このトップ、ミドルマネジメント、現場の社員の役割と関係から思いついたものです。

人間の体の構造と行動を例にしてみましょう。頭脳がトップマネジメント、延髄や脊髄、神経の中継点がミドルマネジメント、四肢や内臓をはじめとする諸機能および末梢神経や五感の触覚が現場の社員と位置付けます。頭脳が正月に「今年はこんなことをやろう」と目標を立ててもなかなか実行に移せないのは、体のどこかがそれをやることを納得していないので長続きしないのかもしれません。一方で、触覚が気持ちいいと感じたものは、それを継続したいと脳へリクエストし、その行動を続けたり、別の機会にまた実行しようとするのです。また、極端に熱いものや痛いものに触れた時には、脳に伝える前にそこから離れる行動をとりますね。脊髄反射と言ったりもします。これらとは違った次元で、五感から入った意味のある刺激によって心が深く感じ動くことを感応といいます。英語ではSense & Respondです。健全な組織、健康な体は、この感応がうまく作用しているのでしょう。当社の中期経営計画もマネジメントや社員全員が感応してくれるようにしたいものです。

これをITの世界に置き換えると、頭脳は基幹システムやAI、ミドルマネジメントは分散システムやエッジコンピュータ(※)、社員はIoTセンサーや基幹システムから指示されたI/O(入出力)機器にあたるのでしょうか。少々乱暴な例えですが、基幹システムは全体を把握し、アクション(受注、発注、生産指示、受け入れなど)を末端へ指示できるので、脳と同じ役割として位置づけています。IoTセンサーが現場で起こったことを検知し、エッジコンピュータがその場で反応すべきものと中央のサーバーに発信するものとに峻別し、中央に届いた情報をAIが感じて必要なアクションを提案し、基幹システムがアクションを指示し、事実を記録するという仕組みです。
IoTにより世の中で起こる事象はその気になれば何でもデータとして把握できるようになりましたが、そのデータを意味ある情報として活用して、アクションに結び付けなければ宝の持ち腐れです。そうならないためには、ビッグデータを活用するAIが大切なのはもちろんですが、それ以上に基幹システムとの連動が重要となります。それは単純なシステム間インターフェースを確立するのではなく、人間の体のように一つの仕組みとして連動する事がゴールイメージです。
SAP社のHANAをはじめとする最新のERPパッケージやIT近代化のソリューション、そしてクラウドを活用して基幹システムを再構築することで、IoTとの連動が実現できます。昨今の基幹システム刷新のブームは単なる老朽化更新だけではなく、IoTで把握できる広範なデータを活用しアクションに結び付けることで企業競争力の強化を期待してのことだと認識しています。

日本企業の生産性向上が課題とされて久しいですが、感応のソリューションを導入することで是非とも競争力の強化に繋げていただきたいと思っています。コベルコシステムもその一助となるべく、お客様の課題解決のパートナーとして尽力致します。いつでもお気軽にご相談ください。

(※)エッジコンピューティング ~モノのインターネットの課題を解決する~
 https://www.kobelcosys.co.jp/column/itwords/20160901/

2017年9月

ITの可能性が満載のメルマガを、お客様への想いと共にお届けします!

Kobelco Systems Letter を購読