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2007年09月01日

コンセントにつないでインターネット?!
PLC(Power Line Communications)とは

PLC(Power Line Communications)とは

PLCとは、あらゆるところに張り巡らされている電力線(電気配線)を通信回線として利用する技術のことをいいます。コンセントに専用のモデムを接続し、電力とは異なる周波数(4?28MHz(電力は50/60Hz))を利用して、データ信号を電力線にのせて転送する方法をとっています。理論上、家庭内LANで一般的に利用されている100BASE-T(最高通信速度100Mbps)の2倍程度の速度で通信ができるといわれています。既存の電気配線を利用すれば、新たにケーブルを敷設することなくネットワークを構築できるため注目を集めています。

電波法の改正でPLCが普及へ

電力線を利用してデータ通信を行う方法として、以前エコーネットという規格がありました。しかし、周波数帯が500kHz以下に限られ、通信速度が大変遅いため、現在のように大量のデータをやり取りするインターネット通信には不向きでした。2006年に電波法の改正を受け、屋内に限り高周波数帯を利用するPLCの使用が認められ、高速なデータ通信ができるようになりました。現在では、ネット家電を視野に入れた家庭内での利用や、オフィスビルでの利用実験などが行われています。また、既に工場で利用している例もあります。

PLCの課題と今後

コンセントにつなぐだけという便利さの目立つPLCですが、回線品質の問題などがあります。元々、通信用に作られていない電力線はノイズなどの影響を受けやすく、通信速度が低下する可能性があります。ですので、一時的に速度が低下するなどいつでも高速通信を行うことは難しいです。また、漏洩電波によって短波通信(航空無線やアマチュア無線など)を妨害する可能性があるなどの懸念事項があります。
とはいえ、新たにケーブルを敷設することなく、電力線を使って手軽にネットワーク環境を得られるPLCは魅力的であり、今後の技術発展によって問題が回避され、一般に普及することが期待されます。

2007年9月

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