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2015年06月01日

ビッグデータの先にあるもの
Data at the Edge

今回はビッグデータの先にある“Data at the Edge”についてお話しします。

“ビッグデータ”が注目されるようになって久しくなります。ビッグデータは、“ビッグ”という名前の通り、もともとは量的な側面、すなわち「典型的なデータベースソフトウェアが把握し、蓄積し、運用し、分析できる能力を超えたサイズのデータ」といった意味で捉えられていました。ところが、利用が進むにつれ、データの対象が製品・顧客などの履歴、工場でのセンサーデータなどから、画像、音声、動画へと広がっていきました。さらにインターネット情報、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)もデータの対象になってきたため、もはや量的側面だけでビッグデータを捉えることが難しくなりました。そして、次の技術としてさらに多様なデータを扱うData at the Edgeが登場したのです。

Data at the Edgeとは

今後の技術動向として、ビッグデータはスマートフォンや各種センサーなど末端で発生したデータを扱うData at the Edgeの時代に進んでいきます。Data at the Edgeは、構造化データだけでなく、数値、文書、画像、音声、動画などの非構造化データをも対象にします。「非構造化データは2020年までに40ゼタバイト(10の21乗バイト)に拡大する」というIT調査会社IDC/EMCの調査結果も出ているように、指数的な勢いで増えていくと予想されます。よって、Data at the Edgeでは非構造化データがより重要になっていくと考えられます。また、扱うデータの量や種類が増えるだけでなく、それによってコンピューティング技術、さらに、経営判断を伴う企業行動にまで影響を与えます。急速に拡大していくデータをどう扱うのか。Data at the Edgeでは、この壮大なテーマに取り組んでいきます。

Data at the Edgeの利用拡大

データが拡大していくと、分析ノウハウを持った専門家がデータをモデル化し分析・解析するといった従来の方法だけではデータを有効に活用できなくなります。もちろん伝統的な解析手法は今後も残りますが、例えば、様々なData at the Edgeをリアルタイムで集約していくような、これまでの手法とはまったく別の手法が提案されていくものと考えられます。

インターネットに接続される機器も増え続けます。最近話題のIoTなどがこの例です。この場合、コンピューティング方法自体が変わっていきます。たとえば、M2M(Machine to Machine)と言われる方法では、機器同士がコミュニケーションをとり、発生した情報を瞬時に利用して動作します。人間やコンピュータが介在して機器と機器を結びつける従来の方法とは発想が異なります。データ量が飛躍的に拡大していく中で、鮮度のいいデータを有効に活用するため、M2Mのような技術は必須です。

製造業においても、需要、生産、品質、アフターサービスなどが大きく変わっていくことが予想されます。これまでの、どちらかと言えば構造化データベースをもとに堅牢性を重視しておこなっていた業務が、真の意味でリアルタイム化、ダイナミック化されていくと予想されます。


Data at the Edgeを企業活動にどのように活かしていくのか。まだ答えは確立していません。ただ、「Data at the Edgeを扱えない企業は淘汰されていく」というコメントが出て来るほど、非常にインパクトのある技術動向です。この新技術をどのような形でお客様にお届けするのか。今後の動向から目が離せません。


2015年6月

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