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2017年06月01日

業務の自動化を推進
~RPA(Robotic Process Automation)~

背景

近年、人工知能(AI:Artificial Intelligence)への注目と共に、ショップや銀行などでロボットに遭遇することが増えてきました。そのロボットは人を認識し、人と自然に対話することもでき、少し前まで漫画や映画の中の出来事だったものが現実化しています。
今回、このコラムで紹介するテーマは、このような物理的なロボットのさらに先、ソフトウェアから成る実体のないロボットです。「RPA(Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーション)」と呼ばれるソフトウェアロボットの仕組みや、現在実現していること、今後どのように進化していくのか、などをご紹介します。

RPAとは

RPAは、以下のGoogleトレンド(※1)からも分かるように、’16年末から今年にかけて急速に注目を集めるキーワードとなっています(図1参照)。人手不足対策や業務自動化というキーワードとともに、雑誌やIT系のWebサイトでも特集を組まれることが増え、最近このキーワードを目にしたことがある人も少なからずいるのではないでしょうか。

Googleトレンド
図1.過去3年におけるRPAのトレンド推移
(出典:Google トレンド(2017/05/8時点)のデータより抜粋)
https://trends.google.co.jp/trends/explore?geo=JP&q=RPA

※1 Google トレンド:Google社が提供しているWeb検索にて、特定のキーワードの検索回数が時間経過に沿ってどのように変化しているかをグラフで参照できるサービス。

RPAとは、人がPC上で表計算やメールソフトなどの様々なアプリケーションを駆使して処理している様々な業務をソフトウェアロボットに代行させることで自動化する仕組みのことを指します。これにより、業務の効率化やミスの軽減など生産性の向上が期待され、少子高齢化に伴う労働人口の減少への対策の1つとしても期待されています。

もう少し具体的にRPAについて説明します。人事や経理などの業務の中には、画面のデータを確認して、それに類するデータを検索した上で入力することを繰り返すようなもの(お客様リストの更新など)や、メールで届く注文データをいったん紙に出力し、その注文内容をシステムに入力するといった作業があります。これらの作業自体は、単調で、データ量が多くなれば作業自体の負荷が大きくなり、ミスを生みやすくなります。RPAを使うと、このようなメールや表計算、Web上のアプリなど様々なアプリケーション間にまたがる業務の操作とその流れを記録し、記録した操作を自動的に再現することができます(図2参照)。

作業の自動再現
図2. ソフトウェアロボットが様々な作業を記録し、自動再現

RPAの今後

現状では、RPAはまだ単純な作業の自動化というところが主で、冒頭で述べた人工知能との連携はまだ実現されていません。しかし、今後はRPAと人工知能とが組み合わさって、過去のデータに基づいた臨機応変な判断や、天候やソーシャルデータの分析から処理を振り分けるといった、より難解な業務の自動化の実現を目指すといった方向性も示されています。
今後ますます期待されるRPAについて、ぜひご注目ください。

2017年6月

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